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太陽光Labo
2020.06.17市場・情勢
農業従事者の高齢化などの理由から使われなくなった農地のことを指す「耕作放棄地・荒廃農地」という言葉をご存知でしょうか。このような農地が年々増加傾向にあります。
「ソーラーシェアリング」はこの耕作放棄地・荒廃農地拡大解決へ貢献できる制度です。
今回はソーラーシェアリングについて、また、今年度のソーラーシェアリングに関するFIT制度について紹介していきます。
ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)とは、農地に支柱を立て、空いている上部空間に太陽光発電システムを設置することで、農業と太陽光発電事業を両立させる仕組みです。
農地にて栽培した作物の販売収入と、太陽光発電事業により安定した収入を得ることで、農業経営の改善が期待できます。
下記の記事でソーラーシェアリングの概要を詳しく説明していますので、こちらもご確認ください。
→ソーラーシェアリングとは?収益や作物への影響を解説
農地に太陽光発電システムを設置する場合、農地を雑種地などに転用して建設しますが、ソーラーシェアリングの場合は、農地のまま作物を栽培している上空に太陽光パネルを設置することができます。
この仕組みを可能にしているのが、農地の「一時転用許可」という制度です。3年以内、条件が合えば10年以内の一時転用の許可が認められ、地目を転用せずに太陽光発電事業が始められます。
2020年度のFITでは、低圧(10kW以上50kW未満)の売電単価は12円/kWhとなりました。さらに、全量売電ではなく余剰売電に限りFITが認められる事となりました。発電した電気の30%以上は自ら消費しなければなりません。
この影響で、たくさん売電して収益を得る「太陽光発電投資」を新規で建設することが現実的ではなくなりました。 一方で、ソーラーシェアリングは一定の条件をクリアできていれば、全量売電が認められます。
ソーラーシェアリングで全量売電が認められるのは「災害活用」が可能で、「地域活用要件」を満たしているものです。また、10年以内の農地一時転用許可が下りている案件であれば、地域活用要件を満たした扱いとなります。
ではその地域活用要件を満たす発電所とは何かということと、農地の一時転用期間が10年間になるケースを下記の表に記述します。
ソーラーシェアリングで全量売電をするための要件
■ソーラーシェアリングは、エネルギー分野と農業分野での連携も期待されるため、災害時の活用と地域活用要件を満たした場合は全量売電ができる
■具体的には、農業が適切に継続され、荒廃農地の再生利用の促進が期待できる案件については、10年間の農地転用を認めている。10年間の農地転用が認められる案件は、地域活用要件を満たす要件を満たしたものとする。
■災害による停電時に自立運転できる機能、給電用コンセントを有し、災害時に有効活用できる
参照:経済産業省|令和2年度の調達価格等に関する意見案
農地一時転用期間10年となるケース(次のいずれかの場合)
■担い手が所有している農地又は利用権の設定等を受けている農地で当該担い手が下部農地で営農を行う場合
■農用地区域内を含め荒廃農地を活用する場合
■農用地区域内以外の第2種農地又は第3種農地を活用する場合
参照:農林水産省|営農型太陽光発電設備について
荒廃農地や第2種・3種農地を活用することで10年の一時転用許可の条件に該当します。
したがって、これまで太陽光発電システムを設置するために雑種地に完全転用していた土地でも、小規模なソーラーシェアリングを行えば、営農にお悩みの方も農作物による収益と売電収入も得て安定した収入が期待できます。
また、農業が継続されれば、耕作放棄地・荒廃農地拡大を止める事が出来ます。
2020年度のFITの発表で、低圧規模の全量売電は終了しましたが、ソーラーシェアリングでの全量売電は継続して行われます。
農業を営みながら、太陽光発電事業という新しい分野に踏み切るのは不安なこともつきまといます。
当協会、JCMAエネルギーでは、ソーラーシェアリングに関するお手続きや申請方法などサポートさせていただきます。 少しでもご興味があれば、まずはご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせ下さい。