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どう変わった? 経産省が審査を厳格化。これだけは押さえておきたい低圧太陽光発電の分割禁止ルールとは

2019.12.16法政・条例

厳格化された低圧太陽光発電の分割禁止ルール

2019年11月19日、経済産業省資源エネルギー庁は、太陽光発電設備の分割により発生するさまざまな問題への対策として、ルールを一部改定し、2014年以降禁止とされている低圧太陽光発電の分割案件の審査を、さらに厳格化すると発表しました。

この改定により何が変わり、これから太陽光発電事業を考える人たちにとってどのような影響があるのでしょうか。今回の記事では、この通達をひも解き、解説していきます。

低圧太陽光発電と分割との根深い関係

産業用の太陽光発電施設は、その規模によって、「低圧」「高圧」「特別高圧」という3つの区分に分類されます。
簡単に言うと、発電出力が50kW未満の施設は「低圧」に、50kW以上の施設は「高圧」に分類されます(発電出力が2000kW以上の施設は「特別高圧」)

高圧以上になると、発電量をより多く確保することができるというメリットがありますが、事業主には発電施設を安全に維持・管理する義務が生じます。
たとえば、キュービクルとよばれる変圧器の設置です。

低圧であれば、電力会社が変圧機器を設置してくれますが、高圧の場合、高額な変圧器を事業主自身で設置しなければなりません。

また、発電設備を設置する際も、低圧では第二種電気工事士による作業が可能ですが、高圧になると第一種電気工事士または認定電気工事従事者による作業が必要になります。
さらに、設備の管理者として電気主任技術者を選定し届け出なければなりません。

このように、「高圧」以上の発電施設になると、とたんに規制が厳しくなり、手間とコストがかかるのです。
そこで、本来であれば高圧として申請しなければならない規模の施設を、あえて細かく分割し、複数の低圧発電所として申請し、認定を受けるケースが多く発生したのです。

つまり、100kWの発電設備を設置できる土地があるにもかかわらず、あえて土地を分割し、49kWの低圧発電施設を2つ設置するといった具合です。
これは、低圧分割と呼ばれ、2014年4月1日以降、国により禁止されています。

なぜ、太陽光発電施設の分割は問題なのか

では、なぜ低圧分割が問題なのでしょうか。

経済産業省は、分割を禁止する理由について、以下4点を防止するためと説明しています。

  • 本来、適用されるべき安全規制が実質的に回避されること
  • 本来、発電事業者側で手当てすべき接続に当たっての補機類の整備が、電力会社側に結果 的に転嫁され、特定原因者のための電気料金上昇を招く恐れがあること
  • 本来であれば、必要のない電柱や電力メーター等が分割接続のためだけに新たに必要と なること
  • 50kW 以上の太陽光発電に課される土地及び設備の 180 日以内の確保義務等の履行 逃れに悪用される恐れがあること
※経済産業省「平成26年度 固定価格買取制度の認定運用の変更」より

一つ目は、非常に残念ではありますが、不誠実な事業者が少なからず参入したことで、太陽光発電にかかわるトラブルが増えているという実状があります。

さきほどご紹介したように、低圧発電は高圧発電に比べ、規制がはるかにゆるく、参入へのハードルは低くなります。
しかし、このことで、本来発電事業者がとるべき安全措置が十分でなく、施設への侵入を防ぐフェンスが設置されていない、強風によりパネルの一部が飛んでくるといった近隣住民の安全を脅かすトラブルが発生しているのも事実です。

2017年4月に施行された改正FIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)では、低圧でも保守点検の実施が義務化されましたが、高圧ほど厳格なルールではないため、多くの施設で対応が不十分です。

二つ目に、低圧分割は、電気料金の上昇を招く恐れがあるということです。
高圧規模の発電所が低圧に分割されることで、発電事業者には変圧器を設置する義務が無くなりますが、これは、各事業者に代わり電力会社が変圧器を整備するということを意味します。

さらに、発電施設が細かく分割されたことで、本来必要ではない電柱や電力メーターを、電力会社が費用を負担し設置しなくてはなりません。
電力会社が負担したこのようなコストは、電気料金に上乗せされて返ってくるため、結果として、一部の事業者の利益のために、電気を使うすべての人の負担を増やすことにつながりかねません。

こうした安全性と社会的不平等感が問題視され、太陽光発電の低圧分割は禁止されているのです。

近くに太陽光発電があるときは注意!知っておきたい分割基準

分割案件が禁止となったのは、2014 年 3 月 31 日のことです。
経済産業省令が一部改正され、発電施設の認定ルールに「特段の理由がないのに一の場所において複数の再生可能エネルギー発電設備を設置しようとするものでないこと」という内容が追加されました。

これにより、大規模設備を意図的に分割し、低圧太陽光発電設備を複数設置しようとしても認可を受けられなくなりました。
つまり、事実上の「分割禁止」です。

分割案件に該当するのは、
  • 同じ申請者から同時期または近い時期に複数の発電設備の申請があること
  • 複数の申請にかかわる土地が互いに近接していること
とされています。

一つの地番で複数の発電設備を設置しようとしても認可は下りませんし、土地の地番が複数に分かれていたとしても、土地の地権者が同じであれば、実質的に「一つの場所」となり、分割案件とみなされます。

さらに、隣り合う土地での太陽光発電の申請は、形式上の名義が異なっていても、設備認定の申請者、発電事業者、土地の所有者が同じであるといったことから総合的に判断され、同一事業者による分割案件とみなされる可能性があります。

ここで注意したいことは、一度認定を受ければよいというものではないということです。
経済産業省は、「どのような認定であっても、認定後の時点で、認定基準が充足されなくなったと認められれば、認定が取り消される可能性がある」としています。

たとえば、分割案件に該当しないよう、形態や名義人を変えて申請し、認定を受けた後、軽微変更届などで実態に戻すといったケースが見受けられます。
しかし、このような場合も、認定後の調査により分割が発覚すれば、その時点で認定が取り消される可能性が高いのです。

それでも減らない低圧太陽光の分割問題

もちろん、太陽光の分割問題に対し、国がこれまで何も手を打ってこなかったわけではありません。

2015年に総務省が行ったFIT(再生可能エネルギーの固定買取価格制度)に関する実態調査でも、太陽光発電に関して改善すべき点の1つとして、「分割案件」への対応を挙げ、FITを管轄する経済産業省に対し勧告しました。

実態調査では、2014年5月から11月の間にFITに認定された50kW未満の太陽光発電所は32,813件あり、そのうち1,451件に分割案件の疑いがあると指摘されています。

この調査を受け、経済産業省は、50kW未満の設備の認定を委託している太陽光発電協会・代行申請センター(JPEA代行申請センター)において、分割が疑われる案件を洗い出せるシステムを導入しました。
これにより、現在申請されている設備と過去に認定した設備の情報を突き合わせ、分割の疑いがある案件を洗い出せるようにしたのです。

2016年8月に、総務省は再度FITの実態調査を公表していますが、これは、経済産業省に勧告した件について、改善施策の内容やその成果について報告されたものです。

この調査では、分割案件の可能性があると判断された案件の割合は、システム導入前(2015年4月から11月まで)は167,428 件の申請に対して8464件(5.1%)でしたが、システム導入後(2015年12月から2016年1月まで)は99,667 件の申請に対して 11,576 件(11.6%)まで高まったと報告されています。

これはシステム導入により、これまで見逃されてきた分割疑義案件の洗い出しが可能になった効果だと考えられます。

ちなみに、「分割案件」のおそれがあると判断されると、申請者は、分割案件でないことを客観的に証明する書類を提出しなければなりません。
また、分割とみなされてしまった場合は、申請を取り下げた上で、関連する発電設備をまとめて1つの発電設備として再申請することになります。

しかし、問題は、国が分割禁止の方針を明らかにし、このような対策をとってきたにもかかわらず、分割案件の申請に歯止めがかかっていないことです。

国が、低圧太陽光の審査を厳格化 地権者確認を2014年までさかのぼる

2019年11月19日、経済産業省資源エネルギー庁は、太陽光発電設備の分割問題について判断基準を更新し、低圧太陽光発電の分割案件の審査を厳格化すると発表しました。

簡単に言うと、隣接する50kW未満の低圧太陽光発電設備について、分割が疑われる場合は、登記簿上の地権者を2014年度までさかのぼって調査し、太陽光発電事業者が同一でないか確認することになったということです。
この調査により、地権者が同じであると判明した場合は、分割案件と判断されることになります。

これまで説明してきたように、分割案件は多くの問題を生じさせることから、国は、2014年度以降、分割とみられる案件については不認定としてきました。

また、2017年7月には分割案件の基準を明確にし、発電施設の設置場所が隣接する場合、申請日から1年前にさかのぼって地権者が同じでないかを確認し、分割案件の阻止に努めてきました。

しかし、JPEA代行申請センターが発表した数字によると、2018年度に申請された約35%(約38,000件のうち約13,000件)の案件に分割疑いがあり、その大部分が1年~1年半前までさかのぼると登記簿上の地権者が同じであることがわかっています。

つまり、1年前にさかのぼるだけでは、多くの分割案件が規制逃れしてしまうということです。

このため、再生可能エネルギー特別措置法の検討委員会では、隣接する太陽光発電設備の地権者について、申請日から1年前ではなく、さらにさかのぼって審査するべきではないかという検討がなされてきました。
その結果としてルール改定が承認され、今回正式発表となったのです。

さまざまな分割禁止ルールによっても依然として減らない分割案件の問題に、国が、本腰をあげて対処したものと見るべきでしょう。

太陽光発電は必要とされていないのか

国が規制を強化することで、太陽光発電に対して参入障壁が高くなっているような印象を受けるかもしれません。

しかし、「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」というSDGs(エス・ディー・ジーズ)で掲げられた地球規模の目標を考えても、エネルギーの問題は日本にとって重要課題であり、国の施策として、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの活用を推進していくというこれまでの姿勢に変わりはありません。

今回の厳格化措置で排除したいのは、あくまでも不誠実な太陽光発電事業者です。
言い換えると、誠実に太陽光発電事業を進める事業者の事業継続や資産を守る措置でもあるのです。

しかし残念ながら、知識不足によって、図らずもこの分割禁止ルールに該当してしまい、発電事業としての認可が下りないケースが生じています。

不本意な結果を招かないためにも、適切な太陽光発電専門業者をパートナーに選び、事業として真摯に取り組んでいくことがますます重要になってくると言えるのではないでしょうか。

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