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太陽光Labo
太陽光発電投資を行う上で必要な資金は、融資を受ける事が出来ます。
規模が大きくなればもちろん審査通過が難しくなります。そのため「太陽光投資に興味があるけど自分には難しそう…」と諦めてしまう方もいます。
しかし、太陽光発電に関するローンはいくつか種類があり、審査の通りやすさや金利など、それぞれ違った特徴があり、準備をしっかり行う事で通過しやすくなる可能性があります。
今回は太陽光発電の融資(ローン)の種類や、融資を受けやすくする為に出来る事を解説していきます。
太陽光発電投資を行う際に、1番最初に考えるのが初期費用です。
低圧規模の太陽光発電所の場合、1,000万円〜2,000万円程度の投資と高額になりますので、ローンを組まれる方がほとんどです。
特に、初めて太陽光投資を考える時は、どのくらい金利で受けられるのか。そもそも、自分でもローンを組めるのか。など気になる点ではないでしょうか?
ローンには種類があり、それぞれ特徴がありますので、自分に合った借入プランを計画することが大切です。
※表は横スクロールでご確認ください。
ソーラーローン | ビジネスローン | 政府系ローン | |
---|---|---|---|
金利 | ~5% | ~13% | ~2% |
借入期間 | 〜20年 | 〜5年 | 〜20年 |
抵当権の有無 | 無 | 無 | 選択制 |
借入手続き | 簡単 | 簡単 | 複雑 |
こんな方におすすめ | 太陽光発電事業を始める人 | すぐに事業資金が必要な人 | 可能な限り金利を抑えて融資を受けたい人 |
それでは、各種のローンについての特徴とメリットデメリットについて解説していきます。
近年、多くの金融機関は太陽光発電事業に対して専用ローンを準備し、積極的に融資を行っています。ソーラーローンは、その名の通り太陽光発電専用の融資プランです。
住宅ローンなど多額の融資を受ける際には、原則担保提供が必要です。
また、担保提供が不要な場合には、金利が高くなる傾向にありますが、ソーラーローンの場合は、担保提供がなくても比較的低金利で融資を受けられるのが特徴です。
お金を貸す金融機関の立場で考えた場合、担保提供や金利の高さは、融資したお金の返済が滞った際のリスク管理のために行っています。
一方、太陽光発電事業では固定価格買取制度(FIT)によって、定期的かつ長期間安定した収入が見込める事業であることが分かっているため、金融機関は担保提供をしなくても、低金利で積極的に融資を行いたいという狙いがあります。
ローンの金利は、担保提供をした方が低くなる傾向にあります。
しかし、抵当権設定に伴う諸費用はトータルで数十万円になりますので、金利が低くても諸費用をトータルすると返済に必要な負担額が多くなる場合もあります。
金融機関に担保提供をする場合には抵当権の設定を行いますが、手続きなどの費用は融資を受ける側が負担することになります。
ローンを組む際に1番に見落としがちなのが、抵当権の設定です。
費用の名称 | 登録免許税 | 収入印紙 | 司法書士への手続き代行 |
---|---|---|---|
負担する金額 | 借入金額の0.4% ※軽減制度あり |
数万円 ※借入金額によって異なる |
数万円~数十万円 |
しかし、ソーラーローンは抵当権の設定が必要がありませんので、融資の際の諸費用を抑えられる場合がほとんどです。
ソーラーローンの金利は借入期間や金額によって変動しますが、2%台~5%台の金利で融資する金融機関が多いです。
1,000万円を超える融資となると担保提供が必要になる場合もありますが、先ほども説明した通り、ソーラーローンの場合は抵当権設定が不要です。
複雑な手続きも必要がなく、審査の通りやすさ担保提供不要である点を考えれば非常にメリットが多いローンといえます。
また、融資を活用する場合、自己資金実質0円での太陽光発電投資も可能ができるだけでなく、月々の売電収入からローンの返済に充てても月々20万円以上の売電収益を得ることが可能です。
資金を借りた場合、金利は低ければ低いほど嬉しいのですが、低すぎる金利を見た場合には注意が必要です。融資する金融機関の多くは販売事業者と提携しています。
提携自体はまったく問題ありませんが、低金利で融資を受けるための条件として特定の販売業者から太陽光発電設備を購入しなければならないケースがあります。
金利はかなり抑えられていても、金利分以上の額が商品価格に上乗せされていることがあるため融資を受けられたとしても、割高になることもあります。
ビジネスローンで融資を受けるメリットは、事業資金をすぐに借りられる点です。
事業を行う上で運転資金を確保することは不可欠であり、どんなに事業が成功していても運転資金が底をつけば事業継続はできません。そのため、事業停止を免れるための手段として、ビジネスローンは活用できます。
ビジネスローンで融資を受ける場合には、担保提供や保証人が不要なケースがほとんどです。審査は比較的通りやすいのですが、返済期間は短いため長期的な借り入れをすることはできません。
設備のための融資の中で、ビジネスローンが最も高金利です。ビジネスローンは比較的簡単に融資を受けられますが、返済が滞るケースが多いローンですので、返済リスクの分だけ金利が高く設定されています。
太陽光発電事業は安定した継続的な収入は見込めますが、短期間での大きな利益を狙うようなものではありません。
そのため、高金利の融資を受けてしまうと返済分を売電収益で賄いきれない可能性もあるので、ビジネスローンで事業を始めるのはオススメできません。
事業で融資を受ける場合、もっとも金利を抑えられるのが日本政策金融公庫からの借り入れです。日本政策金融公庫(通称 日本公庫)とは、国が出資している政府系金融機関です。
民間金融機関だけでは対応できない分野に融資などを行っており、太陽光発電事業への融資も積極的です。
日本公庫から融資を受ける際には、担保提供の有・無を選択できます。
担保提供をした場合のメリットは、融資を受ける際の金利が低くなる傾向がありますが、抵当権設定の諸費用を負担することになります。
一方、担保提供をしない場合には、抵当権設定の申請手続きや諸費用を負担する必要がありませんので、金利以外の部分でも比較することが大切です。
※表は横スクロールでご確認ください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
担保提供有 | 低金利 | ・担保提供が必要 ・抵当権設定の諸費用を負担 |
担保提供無 | 抵当権設定の諸費用不要 | ・担保提供有よりは金利が上がる ・ソーラーローンと金利の差が少ない |
日本公庫は低金利で融資を受けられますが、手続きが複雑なのが難点です。政府系金融機関なので、民間の金融機関よりも審査に必要な書類も多く、審査も時間がかかります
太陽光発電事業をするまでに時間的な余裕がある人は問題ありませんが、サラリーマンの方など普段仕事をしている方が融資を受ける場合には注意してください。
政策金融公庫から融資を受ける手続きは面倒ですが、その見返りとして高額・低金利での融資が受けられます。
融資限度額は最大7,200万円まで可能であり、担保提供をした場合には金利が1%を下回るケースもあります。そのため、時間的余裕がある方や、少しでも金利を抑えたい人向けです。
3つのローンについてご説明してきましたが、どの融資も最終的には金融機関の審査があります。ローンの種類によって通過難易度は変わりますが、通るために事業者として出来る事はしておいた方が良いでしょう。事業者が行うべき事について説明していきます。
少しずつで構いませんので、太陽光発電に関する知識をつけておくと良いです。何故かというと、金融機関の担当者に太陽光事業の意義伝えて理解してもらう事で、信用性が高まるからです。最終的に審査通過の決定をするのは融資の担当者で、担当者も「人」です。例えば担当者が「太陽光発電を行う目的と、利益創出の仕組みは?」と聞いて、納得のできる返答が出来る人とそうでない人では、担当者の印象も違ってきます。
太陽光発電について知識が付いてきたら、事業計画書の作成を行いましょう。ここで大事なのは、ダウンロードしたテンプレのような事業計画書ではなく、自分の言葉で担当者に伝えられる内容にすることです。
こういった部分を、自分で考察して記入します。特に数字の部分は、より細かい記入を行う事が大事です。例えば、毎月どれぐらい発電して、売電収入はどれだけ入り、ランニングコストはいくらかかる…といった現実的な金額を1円単位で算出する事が大事です。金融機関もプロなので、大体の数字ではすぐに見抜かれてしまいます。
「具体的な金額の算出方法なんて分からない」という方は、業者のサポートを受けましょう。発電量や売電収入のシミュレーションをしてもらう事で具体的な数字を出すことが出来ます。
JCMAエネルギーでも、設置する案件に対しての具体的なシミュレーションや手続きのサポートをさせていただきます。
担保や事業計画とは別に、自己資金率を知っておくことも大事です。融資を行う機関が重要視している事は、以下の二点です。
そこで、自己資金(貯金)と身内から借りられる資金を明らかにして、事業に必要な資金に対してどれぐらい不足しているか知る事が大切です。これを知ると、融資額について担当者が納得しやすい説明ができるので、信用性に繋がります。
ただ、自己資金が0円でも諦める必要はありません。事業成功の見通しが立てば融資を受けられる可能性は十分あります。実際に自己資金0円で審査が通った方はたくさんいます。
融資を受ける際に最も重要視される「与信」について説明いたします。
与信とは、文字通り「商取引において取引相手を信用すること」です。融資審査においては、申込者の返済能力・返済担保・資金の用途・返済の現実性・過去の信用情報などといった要素を総合して「与信」と言います。当協会が提携している信販会社によると、「与信」では「個人」と「業者」の両方を見る、とのことでした。
当協会でも、「収入も安定しているし、過去に金銭的なトラブルもないが、融資が受けられない」というお問い合わせを受けることがあります。そのような場合は、「業者側の与信がクリアできていない」可能性があります。
業者側の与信は、それまでの実績が関わってきます。工事は一般的に、完工後に料金を支払いますが、部材は前払いで支払うものです。そのため、金融機関としても、実績があり安心できる業者でなければ融資したがりません。
せっかく発電事業にむけて動いていても、融資が通らなくて諦めるのは惜しいことです。融資が通らなくてお悩みの方は、業者の乗り換えをご検討ください。
当協会、JCMAエネルギーでは、「ローンが通らない理由」や「どうすれば通るか」を調査し、お客様の事業スタートを支援いたします。
もし、融資の認可が下りなくても、お客様の履歴・信用に傷がつくわけではありません。実際、「とりあえず通るか相談したい」というご相談から入られるケースもありますし、お客様に資金の負担を強いることはございません。
太陽光発電で受けられる3種類のローンをご説明しましたが、融資を受ける方の立場や生活状況によって最適なプランは異なります。また、固定金利と変動金利がありますので、借入れ前に返済シミュレーションをしてください。
当協会では、太陽光発電投資での融資のご相談はもちろん、太陽光発電物件のご紹介、太陽光発電設置施工も承っております。融資や物件について気になることがあれば、お気軽に一度お問い合わせ下さい。