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太陽光Labo
2018.07.19市場・情勢
リサイクルリユース環境省設備処分
2018年7月3日、環境省が武部新環境大臣政務官をチーム長とした「太陽光発電のリサイクル・適正処理等に関する検討チーム」の発足を発表しました。
これまで曖昧だった、使用済みモジュールの処分・リユース・リサイクルに関して、いよいよ制度の整備が進んでいくかもしれません。
既に太陽光発電事業を行っている方、あるいはこれから事業を行おうとご検討中の方、事業終了後のパネルなどの処分方法について、まだ綿密な計画は出来ていないという方が多いのではないでしょうか。
再生可能エネルギーの普及促進は政府も力を入れているところですが、その一方で森林伐採などの環境問題や、処分方法に関する制度の未整備問題が浮き彫りになってきています。
今回の環境省の発表は、そんな太陽光発電設備の「リユース」「リサイクル」「処分」に関して見直し、今後の対応策を立てる環境が整ったことを意味しているといえるでしょう。
今回の公表内容では「太陽光発電設備の導入数状況」「導入拡大による環境問題」について触れられています。
中身を見ていきましょう。
環境相によれば、2017年9月末時点の太陽光発電設の導入数は累計42GWであり、2030年のエネルギーミックスでは64GWの導入数になると見込まれています。
上記のような導入数の拡大の裏で懸念されるのが、環境問題です。
同省の発表では主に、「大規模森林伐採」「廃棄問題」についてふれられています。
現状では、太陽光発電所の建設により、大規模な森林伐採などによる環境問題が発生しています。
その結果、建設計画への反対運動も起こっているなど、問題が表面化してきています。
太陽光発電設備の導入件数が増え、それに比例するように、廃棄の問題も出てきています。
このように、非常にたくさんの太陽光パネルが排出される見込みです。
全てを適切に「リユース」「リサイクル」「処分」していかなければいけませんが、現状ではこれらの制度が整っていません。
そこで、同省では次の3つの推進を行うとしています。
適正なリユースの推進のため、リユース品に係る判断基準の整備が必要であるとともに、物流・診断の低コスト化に向けた取り組みが必要(*1)
将来にわたって、太陽電池モジュールのリサイクル・適正処分を推進していくためには、
(1)処理の滞留のおそれがある現状を踏まえつつ、排出量が大幅に増加する将来も見通して、安定的に処理ができる体制を整えること。
(2)製造業者などからの有害物質含有情報の提供による適正かつ円滑な処理の確保が必要である。
また、資源の有効利用や最終処分場の逼迫回避の観点からは、
(3)市場におけるリサイクル・最終処分コスト及び、その変動に関わらず安定的に太陽電池モジュールのリサイクルがなされる状況を整えることが必要である。
こうした条件を満たし、円滑かつ効率的にリサイクル・適正処分が成されるような制度を、できるだけ早期に導入すべきである。このような制度の早期導入が、国内リサイクル産業の振興や先進的なリユース・リサイクル技術の国際展開につながることが期待される。 (*2)
大規模太陽光発電事業について、環境影響評価法の対象事業とすることも含めて、導入に当たっての環境配慮を推進するための適切な制度の検討を早急に行うべきであり、今夏にも検討会を立ち上げて検討を開始する。(*3)
今回は、環境省より太陽光発電設備の導入件数拡大における「課題」と「取るべき対策」が示された形です。
検討会が立上げられていますし、今後ますます具体的に対策が進んでいくものと思われます。
もしかすると今後、現状よりも処分に関する取り決めが厳しくなるなど、リサイクル・リユース・廃棄に関する制度化が進む可能性があります。
今後の流れを見落とさないようにしましょう。