今後の太陽光発電のリスク回避に蓄電池が不可欠

夜間売電可能な蓄電池導入で売電収入を上げる!?

2011年7月に固定価格買取制度がスタートし、太陽光発電システム加速度的に普及拡大してきました。
太陽電池モジュール一つとって見ても、わずか一年ほどで同シリーズ250Wから255W、265W、
さらには265Wにまで発電出力が上がっています。

また、優遇された買取価格の設定や各種法整備が行われたことで、太陽光発電の採算性やメリットは確かなものとなりました。


(なっとく!再生可能エネルギー/経済産業省 資源エネルギー庁HP)

しかし太陽光発電システムは、その性質上、夜間や天候の悪い日には発電量があまり期待出来ず、
停電時などの非常用電源としては今ひとつ確実性に欠ける印象が否めません。
そこで、太陽光発電システムに蓄電システムを併設し連携することで、
強固なライフラインを確保出来る点に現在注目が集まっています。

太陽光発電は、晴れてさえいれば一日中パワコン定格いっぱい発電することができると考えている方が多いですが、
実際には早朝から少しずつ発電量を上げていき、夕方に向けて少しずつ下がっていきます。
例えば5.5kWのパワコンを設置していたとすると、発電量が5.5kWに達するのは、日中の数時間だけなのです。
朝方と夕方の発電量が足りない時間帯を、蓄電システムで補うことで、より効率的に発電システムが運転できることになります。
平常時においてもお互いの特徴を補い合ってより効率的に節電やエコに取り組むことが可能となるのです。

従来の蓄電池はあくまで非常用電源としての役割以上のものはなく、住宅用などではダブル発電とされてしまい売電単価が下がる上、
高価なものが多く、コストパフォーマンスを考えるとなかなか手を出しにくい商品でした。
特に産業用太陽光においては、蓄電するメリットはほとんど無く、これまで蓄電池導入を考える事業主さんはいませんでした。

これまで太陽光発電はその名の通り、太陽が出ている間しか発電せず、またその間しか売電できないというものでしたので、
日が出ている間にどれだけ発電できるかが勝負でした。
そのため、太陽電池モジュールやパワーコンディショナーの高効率化、ロス値の少ないレイアウト、
影のあたりにくい架台設計などに技術向上の焦点が当たっており、蓄電池の需要はなかなか増えてこなかったのです。
需要が増えない以上、価格も下がらず、事業主の関心はますます遠のく現状でした。

しかし今後、出力制御地域が増える現状を鑑みて、夜間売電を可能にした蓄電池が発売されます

 

夜間売電可能な蓄電池のメリット

夜間売電とは、昼間の最も発電する時間帯に出るピークカット分を蓄電し、夜間に売電することで収益を上げる方法です。

これは過積載であればあるだけ効果が期待できるシステムです。
例えば、49.5kWのパワコンに100kWのパネルを過積載することで、最も発電する時間帯でのピークカットは普通に考えると
100kW-49.5kW=50.5kWになります。
しかしながら、この全てがピークカットされるわけではありません。
(※過積載のシステムについて詳細は、過積載についてのページをご参照下さい。)

下記はある単結晶モジュールを同地域、同枚数で設計した時の発電量の違いです。

年間発電量(シミュレーション数値) 年間発電量(ピークカット考慮数値)
127,410kWh
118,830kWh

【発電シミュレーション】静岡県焼津市 295W単結晶 360枚(215%過積載)

上図のピークカットを考慮した方の数値は、通常シミュレーション数値の93%程度ですから、
年間約7%のピークカットが発生する計算になります。
この数値を参考値として算出すると、1年間で8,580kWh20年間で171,600kWhがピークカットされているため、
21円案件の場合、20年間で3,891,888円(税込み)が無駄になっている計算になります。

夜間売電を可能にする蓄電池は、このピークカット分を昼間蓄電し、夜間に放電することで収益に回すことができます
100kWの発電所で約390万円のピークカットですから、1kWあたりに換算すると39,000円程度です。
要するに、¥39,000/kW以内で購入できる蓄電池でなければ、導入する経済的メリットは無い
ということになります。

しかし、昨年度の九州電力管轄内区域を始めとし、出力制御地域が増えつつある現状では、
蓄電池の設置はリスクヘッジの観点からも重要視されています。

 

出力抑制への対策としての蓄電池

現在、様々な蓄電池メーカーが技術向上とコストパフォーマンス力を上げようと尽力していますが、
残念ながらこの価格での販売には至っていないのが現状です。
産業用太陽光の低圧向け蓄電池としては、国内ではA-Styleから販売予定のe-CHARGEが最もコストバランスが良く、
遠隔監視システムを内蔵した蓄電池を¥10万/kWくらいにまで低価格化して発売開始しようとしているところです。

しかしエコめがねやパワコンメーカーのオプション遠隔監視システムのコストは、安いところで¥1万/kWを切っているので、
まだまだ本格導入には厳しい価格帯と言えるでしょう。

今後このコストパフォーマンスがより高まることで、出力制御のかかる地域では広く導入が検討される商品となっています。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
年間
発電量
7,445 8,105 9,799 9,850 10,503 8,854 9,796 10,695 8,606 7,947 6,873 6,724
出力抑制
(10%)
6,701 7,295 8,819 8,865 9,453 7,969 8,816 9,626 7,745 7,152 6,186 6,052


年間
収益
168,853 183,821 222,241 223,398 238,208 200,809 222,173 242,563 195,184 180,238 155,880 152,500
出力
抑制
(10%)
151,967 165,439 200,017 201,058 214,387 180,728 199,956 218,306 175,666 162,214 140,292 137,250
初年度年間総収益 出力抑制(10%)後収益
¥2,385,868
¥2,147,281

出力制御が例えば1ヶ月10%かかってしまうと、年間で¥20万前後の収益減少が予想されています。
この10%分をそのまま夜間売電に回すことで、出力抑制保険に加入する必要も無くなり、コストを削減できる
という強みがあります。

現時点(2016年12月現在)では一部の電力会社で出力制御が始まっているのみですが、
パワコンが出力制御機能付きのものを義務付けられる中、事業主さんの不安は高まっている状況です。
これから5年、10年、15年と経過していく中で、各電力会社がやむなく実施する出力抑制によって、
収支シミュレーションが意味を為さなくなるかもしれません。
どうしようもない収益ダウンを回避するため、夜間売電可能な蓄電池は強い味方です。

 

まとめ

夜間売電可能な蓄電池のメリットをご案内しました。
FIT価格が21円となり、電力会社の出力抑制も始まる中、今後の太陽光発電運営を考える上で、
安定した売電収益を確保することは、事業者さんのリスク回避のために考えなければならない問題です。
売電収入保険や出力抑制保険などが増えつつある中で、保険料を払う以外に収益を守る一つの方法が夜間売電です。
e-CHARGEの蓄電池は遠隔監視システム付きなので、その費用を浮かすこともできます。

このように様々な機能を搭載した蓄電池が、今後次々と発売されていくことになるでしょう。
ご自身の事業内容に添ったシステムの導入をご検討下さい。

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