ソーラーシェアリングの基礎知識

ソーラーシェアリングについて

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農業しながら太陽光発電をできるソーラーシェアリング(営農型発電設備)をご存知でしょうか?
ソーラーシェアリングについての基礎知識から、具体的なノウハウ、メリット・デメリット等を簡潔にまとめてご説明いたします。

そもそも、ソーラーシェアリングって何?

ソーラーシェアリングを簡単に言ってしまえば、農業に悪影響を及ぼさない事を前提に太陽光発電の設置を可能にするシステムです。
今まで困難だった甲種や第一種の農地に対しても設置できることもあり、
農業を営んでいる多くの方にとっては、農業収益+売電収益を確保する新しい手段として大きな注目を浴びております。

そんな便利なシステムなのですが、現状では必要書類が多かったり、各市町村区で必要書類や手続きが異なっております。
さらに、市町村区だけでなく県の許可が必要(一部例外あり)になる場合もあります。
そのため、計画自体が頓挫してしまう事は決して珍しくありません。
日本住宅工事管理協会では、皆様のソーラーシェアリングの設置が実現できるように様々なサポートもさせていただいております。
ソーラーシェアリングをお検討中の方は是非ご相談ください。

農地転用とソーラーシェアリング

農地に太陽光発電を行う場合、農地転用かソーラーシェアリングのどちらかで行います。

農地転用

第2種・第3種のうちに適用。
農地転用はあくまで農地をほかの用途に変更することです、そのため転用後は自由に太陽光発電の設置を行う事です。

ソーラーシェアリング

農業を行いながら収穫量を減らしすぎずに太陽光発電の設置を行う事です。

ソーラーシェアリング設置の条件

農林水産省は2013年3月31日にソーラーシェアリングに対する指針と設置許可条件を発表いたしました。
農地に支柱を立て適切な営農を継続が確保されており、太陽光発電システム等の「営農型発電設備」を下記の条件のもと、
周辺の営農に支障がないことを前提に設置が許可されております。

以下要約

【参考】農水省資料:支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて

ソーラーシェアリングの申請書類

ソーラーシェアリングの申請に必要な資料は下記の通りです。
申請を行う市町村区によって異なる場合がございますので、申請を行う際は必ず市町村区の農林水産課にてご確認ください。
申請業務の代行を考えられている場合は、当協会より行政書士をご紹介することも可能です。

営農型発電設備の設計図
支柱等、太陽光パネル設置のための支柱等の詳細図 (材質・柱の幅等がわかるような図)
基礎詳細図 (材質と大きさが分かるような図)
送電付帯設備図 (パワコン・絶縁トランス・メーター盤発電設備)
送電計画図 (周辺のどこに送電するか分かる図)
設置予定の農地における営農計画書
営農への影響見込み書
営農型発電設備を計画している農地などの概要
上記の計画を一体として営農を行う農地の範囲を示した平面図
パネル等によって、日影が生じる農地への影響を想定し、それを説明をする書類
営農に必要な農作業期間 (営農歴など)
農作業に利用する機械
生育に適した日射量の確保
作付け予定物に係る育成に適した条件の資料 (栽培に必要な日射量の資料等)
計画している営農型発電設備が必要な日射量を確保し、生育に支障を与えないとする資料
施設に想定される遮光量の資料及び遮光量と育生との関係を示す資料等
支柱の高さと間隔、使用予定のの農業機器、作業者との高さや余裕を説明する図面
農地の単収入 (反収見込みの根拠となる資料)
撤去費用について合意されていることを証する書面
ソーラーシェアリング継続の申請

ソーラーシェアリングは3年ごとに継続申請を受ける必要があります。 (正確には架台設置の一時転用の継続申請)
継続の判断するのは毎年申請しなければいけない営農報告書です。 (市町村区により違いがあります)
継続の判断材料の一つとして言われているのが、前年度や周辺との収穫率の差です。
これは80%を切ると危険と言えますのでソーラーシェアリング導入の際は気を付けるようにしましょう。

ソーラーシェアリングのメリットとデメリット

ソーラーシェアリングは、営農による収益と売電による収益によって経済的に大きなメリットを生み出します。
また、経済的メリットの他に下記のようなメリットも存在しています。

メリット例

5mおきに支柱を設置すると…
支柱を基準にして農機の自転運転ができる可能性が高い
支柱を利用して防虫網・防鳥網・害獣防護柵の設置が可能
支柱をえいようして監視カメラ等を取り付けることができ、自宅からでも農地の状況が確認できるようになる
設置太陽光パネルによって太陽光を制限すると…
湿度が維持出来て良い土をつくりやすくなる。
作物の旬の期間を長くすることができる。
酷暑による米の被害を防止できる。
完熟になる速さを遅くすることができる。
日照りに強い有害な雑草を減らして除草が容易になる。
夏場の農作業が楽に日焼け防止にも繋がる。
トラクターキャビン内の温度が下がりエアコン使用を減らせる。

ソーラーシェアリングの主なメリットは以上となります。
活用次第では、よりコストダウンや作物への良影響なども見込むことができるようです。

デメリット例

ソーラーシェアリングはまだ新しい技術であり、
また申請も多岐に渡るため一般の野立て太陽光よりも設置事例が少ないことは否めません。

農作物への影響の実証データが少ない

ソーラーシェアリングは作物の光飽和点に則り設置を行うことにより、農作物の収穫量に影響が無いことを前面に出しています。
しかし、実証データの不足により予期せず収穫量が減少してしまう可能性があります。
ソーラーシェアリングの設置条件として昨年と比べて8割以上は収穫量が減ってはいけない決まりがあり、
最悪の場合、架台の撤去を行わないといけない可能性があります。

長期間の稼働研究データが少ない

産業用・住宅用太陽光発電システムには長い歴史があり、多くのメーカーが新しいモジュールや架台、パワコンの開発に取り組んできました。
一方で、ソーラーシェアリングは長期間の稼働実績がないためどのような設置を行えば長期間安定して発電を行うことができるかが、明確になっておりません。
実績やノウハウの乏しい企業が設置を行うことでシミュレーション通りの発電ができない可能性があります。

3年毎に許可申請を行う必要がある

農林水産省が出しているソーラーシェアリング導入に関する指針には、架台設置に一時転用の許可を受ける必要があります。
一時転用の許可は3年ごとに継続申請を受けることとあります。
上記がソーラーシェアリングの主なデメリットです。
まだまだ発展途上のソーラーシェアリングにはデータ不足などの面倒なデメリットもあります、そこで重要になってくるのが正しい業者選びです。

ソーラーシェアリングの仕組み

農林水産省ではソーラーシェアリングを行うに際して周辺農家の平均収穫量の8割以上を維持することとしています。
そのことから、光飽和点を参考に太陽光発電システムの設計を行う必要があります。

光飽和点とは

植物がこれ以上光を浴びてもこれ以上光合成をすることができないという値を光飽和点といいます。ソーラーシェアリングを実施する際には農作物の光飽和点を知ることが必要です。
下記図は代表的な光飽和点になります。

各種植物の光飽和点・光補償点

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