太陽光発電コラム

第3回 改正FIT法施行 直前説明会③

2017.02.28

前回、前々回と改正FIT法に関して、重要なポイントをピックアップしてご案内してきました。
今回は、今後『設備認定』から『事業認定』へ変わっていく中、最も注目されている事業計画に焦点を当てて説明していきます。

事業計画策定ガイドラインと変更申請について

事業計画策定ガイドライン

事業計画とは、これまでにもご案内した通り、改正FIT法における申請手続きの中で事前に作成し、提出を義務付けられる設備や系統についての計画書です。

具体的な項目等については、経産省から3月中旬頃に【事業計画策定ガイドライン】が公布される予定です。
現時点では以下の項目が挙げられています。

これを見ても分かる通り、ガイドラインには遵守事項と推奨事項があります。
遵守事項の中には、FIT独自の基準で設けられたものと、関係法令に依拠する基準で設けられたものとがあり、どちらも確認作業が必要となります。

《遵守事項》

①FIT法独自の基準で設けられた事項
◆自治体への報告義務・関係法令、条例の確認

太陽光設備を設置する際、設置場所の土地がどこに位置するかで、あらゆる法令を確認する必要が出てきます。
例を挙げると、次のような法令が関係してくる可能性があります。

(参考資料:福島県太陽光発電設置資料『関係法規・手続き等~(1)立地・土地利用関連』)

関連法令・条例

■砂防法
砂防指定地内における、土地の掘削・切土・盛土・土石の採取・立竹林の伐採等の制限

■農地法
優良農地の確保と計画的土地利用の推進のための農地転用許可制度
市町村が委託されて受付している場合もある

■土壌汚染対策法
土壌汚染が指定基準を超過した区域内の、形質変状や土壌搬出等の制限

■河川法
河川環境の整備と保全に影響する建築物の制限
(参考資料:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S39/S39HO167.html

■自然公園法
指定地域内における工作物の新築、改築又は増築、木竹伐採、土地開墾等の制限)
(参考資料:https://www.env.go.jp/nature/mega_solar_na/conf/h2602/ref01.pdf)

■文化財保護法

■景観条例

■遺跡調査

■林地開発許可

■伐採許可

■開発協議申請

■土砂災害地域

上記以外にも、地域によって必要となってくる条例等がありますので、しっかりと確認をとって一つずつクリアしていく必要があります。

今後、これまで以上にこうした関係法令・条例の確認が重要視され、許可を得ずに設備設置を敢行した場合は認定失効となりますのでご注意下さい。

♦設備所在地内の標識設置

設備の発電事業者名・保守管理責任者名・連絡先を明示した標識の設置が義務付けられます。

これまで、発電設備設置場所が事業者の居住地の遠方だった場合など、緊急時の対応が滞ってしまう事例が多く寄せられています。例えば台風等によりパネル飛散した現場や、電気事故等が発生した現場において、設備設置場所近隣住民等が緊急連絡する先が明示されておらず、処理作業が遅延してしまいトラブルに発展しまう例もあります。

こうした事態に対応するためにも、今後すべての発電設備に標識設置が必須となっています。
既設の設備には新制度移行から1年以内の設置が呼び掛けられています。

♦フェンスの設置

これまで、低圧太陽光発電所にはフェンスの設置は必須ではありませんでした。
しかし今後は、第三者が設置場所内に侵入することを防ぐために、フェンスの設置が義務付けられます。

♦メンテナンスの義務化

固定価格買取制度導入当時、太陽光発電はメンテナンスフリーと謳われ、維持費用を必要としない投資として広く知られていました。しかし実際には、電気工作物である以上、メンテナンスは必須です。

発電事業者が遠方居住者の場合、発電設備への監視・管理が行き届かず、廃棄物の不法投棄場所となってしまっていたり、電気事故発生後もそのまま放置されてしまう現場が増えている現状です。

こうした事態を未然に防ぐため、今後は保守点検及び維持管理計画の策定・厳守が徹底される方針です。

②関係法令に依拠する基準で設けられた事項
■電気事業法の規定に基づく適切な設計・施工

高圧以上の設備設置の際には、現在でも電気主任技術者を選任して届けることが義務付けられていますが、低圧以下の設備にはこの届出は必須ではありません。

太陽光発電業者が多数競合する中で、より安価な施工が求められ、技術力や完工時の精度、アフターサービス等がおざなりになりつつありました。しっかりとした技術と知識をもって施工に望む業者も多いのですが、発電事業者が業者選定する上での基準として価格面に比重を置きすぎている風潮は否めません。

こうした状況に歯止めをかけ、20年後も安全に稼働し続ける設備を設置するため、技術基準値を高く設定する義務が課せられることになります。

■設備廃棄を計画段階で算出

固定価格買取制度によって導入された発電設備は、余剰で10年、全量で20年は稼働し続けることが前提となっています。その前提により、設備廃棄についての計画を先送りにする傾向が強いです。

しかし、いつかは必ず撤去する必要が出て来ることを念頭に置き、計画段階からその費用を算出して計上することで、今後、事業計画を完成度の高いものにすることが求められます。

推奨事項

地域住民への理解・認知

太陽光発電設備を設置するにあたり、地域住民への理解を求めずに工事を敢行することで、トラブルのもとになる事例があります。当協会に実際にあったご相談で、このような内容のものがありました。

農振除外申請を行った発電事業者さんが、設備設置場所の隣接地で農業を継続している近隣住民の方から、「太陽光設備が農作物に影がかかるから撤去して欲しい」というクレームを受け、対応に苦慮したというものです。

このクレームも、あらかじめ近隣住民の方へ十分な説明をし、さらに設備設計の段階で隣接地への影響を考慮した架台設計をしていれば避けられた問題です。

この他にも、太陽光発電設備の施工にあたり、搬入されたパネルや架台を運送会社が一時的に近くの空き地へ置いたことで、その空き地の地主さんから大変なクレームを受けたといったトラブルも多く聞き及んでいます。
設備設置にあたり、地域住民への理解・認知に努めることは、事業主さんの義務となります。

メンテナンスガイドラインを参考にしたメンテナンス計画

経産省ではメンテナンス計画にあたり、民間団体(太陽光発電協会・日本電機工業会)が作成したガイドラインを参考にすることを推奨しています。

あくまで推奨なので、完全にこの内容に添っていなければいけないわけではなく、あくまで参考資料として公布されているものです。メンテナンスに関しては、20年間のお付き合いになるわけですから、事業継続性のある業者に任せることが大切です。

また、工事保険との兼ね合いもありますので、できれば施工した業者にそのままメンテナンスに入ってもらうことが望ましいでしょう。

変更申請について

続いて、新制度における変更申請についてご案内します。
旧制度では、認定取得後の認定情報の変更手続きは、以下の2種類でした。

① 変更認定

② 軽微変更認定

簡単に言うと、買取価格が変更になる内容の申請は変更認定、買取価格を維持したままの軽微な内容の申請は軽微変更認定です。新制度での変更申請は、以下の3種類になります。

① 変更認定

② 事前変更届出

③ 事後変更届出

① 変更認定では、旧制度と同様、変更内容によって調達価格が変更する場合としない場合があります。
具体的には、今後調達価格が変更になるのは発電出力を増加した時のみになります。
但し、みなし認定案件については、下記の通りルールが異なりますのでご注意下さい。

また、太陽光発電設備50kW未満の案件に限り、平成28年度の軽微変更がまだ受付可能な旨、経産省から告知されました。(平成29年2月27日現在)

(参考資料:平成28年度内の軽微変更届出の対応について|資源エネルギー庁)

提出期限:2017年3月31日 17:00必着
提出先:一般社団法人太陽光発電協会 JPEA代行申請センター(JP-AC)
〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目23番1号 3東洋海事ビル2階

いずれの設備であっても、事業者名の変更に係る軽微変更届出に限り、各電力会社において、提出した届出書の写しをもって接続契約又は申込み名義の変更手続を進めることが可能となります。詳細は各電力会社にお問い合わせ下さい。

軽微変更届の書面につきましては、以下のページから取得可能です。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度