太陽光発電コラム

第1回 改正FIT法施行 直前説明会①

2017.02.20

平成29年4月1日、いよいよ改正FIT法が施行されます。

資源エネルギー庁からのお知らせ

平成29年2月20日現在、経済産業省からこのような案内ハガキがお手元に到着している事業者さんも多いことでしょう。

改正法施行に先立ち、平成29年2月15日(水)経済産業省主催の「改正FIT法に関する直前説明会 in大阪」が開催されました。まだ未確定の部分もありましたので、現在確定している部分を中心に解説していきます。

尚、改正FIT法は再生可能エネルギー事業全般に関わる法律ではありますが、今回は主に太陽光発電事業について全3回のコラムでご案内していきたいと思います。

目次

第1回 改正FIT法施行 直前説明会① ~新認定制度について~
第2回 改正FIT法施行 直前説明会② ~認定失効とみなし案件について~
第3回 改正FIT法施行 直前説明会③ ~事業計画策定ガイドラインと変更認定について~

 

新認定制度について

改正FIT法によって大きく変更されるのは、以下の5つです。

①買取義務者の変更
②調達価格の確定時期
③設備認定の審査基準
④接続契約未締結案件の失効
⑤入札制度の導入

第1回のコラムでは、①~③について解説していきます。

① 買取義務者の変更について

これまで、固定価格買取制度で設備認定を受けた発電事業者が発電所を設置した時、発電した電気を買い取ってくれるのは一般電気事業者(いわゆる電力会社10社)、もしくは小売電気事業者でした。
これが、一般送配電事業者、もしくは特定送配電事業者へと変更されます。

※2016年4月1日からの電力の小売り全面自由化に合わせ、電気事業法が改正され、同日施行となりました。これに伴い、『電気事業者』という呼称は小売電気事業者、一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者および発電事業者の5分類となりました。(出典:電気事業制度の概要|電気事業制度について|資源エネルギー庁

送配電買取のイメージ

出典:「改正FIT法に関する直前説明会」説明資料(資源エネルギー庁)

上図のように、今後、発電事業者は送配電事業者との間に接続契約と特定契約(買取契約)を締結することになります。
※但し、送配電事業者が買電するためには、全案件の設備にスマートメーターの設置が必要となります。
この整備にかかる日数を考慮すると、買取義務者の切り替えは来年度以降になりそうな見通しです。

ここで言う「接続契約」とは発電設備を送電線や変電所につなぎたいという申込のことで、「特定契約」とは固定価格買取制度に基づく売電契約のことです。

用語解説

小売電気事業者(登録制)

小売供給(一般の需要に応じ電気を供給すること)を行う事業者。平成29年2月9日現在、計379事業者が登録済。
新電力会社とも呼ばれる。

登録小売電気事業者一覧(別サイトに移動します)

一般送配電事業者(許可制)

自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物により、その供給区域において、託送供給及び発電量調整供給を行う事業者。北海道電力、東北電力、東京電力パワーグリッド、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の10社。
東京電力パワーグリッド以外の9社は、小売電気事業、一般送配電事業、発電事業の3事業を兼営している。

送電事業者(許可制)

送電線、変電所などを維持、運用し、一般送配電事業者との契約に基づいて送電する。自らが維持し、及び運用する送電用の電気工作物により一般送配電事業者に振替供給を行う事業者。
現在は、電源開発、北海道北部風力送電の2社。

特定送配電事業者(届出制)

自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物により、特定の供給地点において小売供給又は小売電気事業若しくは一般送配電事業の用に供するための電気に係る託送供給を行う事業者。

特定送配電事業者一覧(別サイトに移動します)

発電事業者(届出制)

自らが維持し、及び運用する発電用の電気工作物を用いて小売電気事業、一般送配電事業又は特定送配電事業の用に供するための電気を発電する事業者。

 

② 調達価格の確定時期について

これまでは、事業開始にあたってまず経済産業省(JPEA代行申請センター)への設備認定申請をしていました。
認定が下りたら、電気事業者へ電力申請を行うという順番でした。

この順番が、改正FIT法施行後は逆になります。

確定までの流れ

出典:「改正FIT法に関する直前説明会」説明資料(資源エネルギー庁)

まず送配電事業者に接続申込みし、接続契約を締結します。(負担金確定が前提)
設備認定の申請はこの接続申込みをした後になりますが、接続契約締結前でも申請はWEB上で可能です。

◆50kW未満の場合

WEB上で申請情報を入力

事業計画の内容を示す添付書類をPDF等でアップロード

代行申請機関(JPEA)に登録


設備設置者の「承認」確認画面(※「拒否」も可能です)

◆50kW以上の場合

WEB上で申請情報を入力

登録画面を印刷したものと、事業計画の内容を示す添付書類を併せて
経済産業省へ発送

設備設置者への内容確認

設備認定を取得した段階で、調達価格が決定します。
決定後に負担金の支払いを済ませ、特定契約を締結させます。

認定を受けてからの運転開始期限について

運転開始時期(連系日)は従来通り買取義務者が決定しますが、同時に開始期限も設定されますので、期限内に工事を完工する必要があります。

太陽光10kW以上:3年(超過した場合、調達期間短縮)
太陽光10kW未満:1年(超過した場合、認定失効)

今後、運転開始期限を超過した場合、10kW以上の太陽光発電設備は、調達期間がその分短縮されることになります。
月単位での換算となりますので、1ヶ月超過した時は調達期間が19年11ヶ月間に短縮され、1年超過した時は調達期間が19年間に短縮されるというシステムです。
また、10kW未満の太陽光発電設備については、超過した場合認定が失効されます。
また新たに申請することは可能なので、接続申込からやり直すことになります。

※運転開始期限はあくまで設備認定(経産省)側の期限となりますので、電力会社によっては特段の理由なく3年間も待ってくれない場合があります。
 各電力会社によって変わってきますので、担当の営業所窓口であらかじめ確認しておきましょう。

 

③ 設備認定の審査基準

改正FIT法での審査基準は、太陽光発電設備において大きく6つの項目になります。

(1) 分割禁止
(2) 保守点検及び維持管理
(3) 設備の廃棄
(4) 標識の掲示
(5) 土地の確保
(6) 関係法令の遵守

(1) 分割禁止

これまでも、低圧太陽光発電設備(10kW以上50kW未満)を設置する時、隣接地等で同一名義の設備設置者が申請しても認可されませんでした。
改正FIT法施行後もこの審査基準は続行される予定です。

隣接地とみなされる案件は、次の条件下に拠ります。

◆同一の地番または地権者が同一の場合
※申請日の1年前まで遡って同一の場合も含む
  平成29年度内に認定を取得する場合は、平成29年4月1日まで遡って同一の場合
◆設置事業者または保守点検及び維持管理の責任者が同一の場合

分割疑義が生じた場合、設備所在地と隣接地の登記簿謄本・公図の提出が求められます。
申請のために急いで地権者を変更しても、申請日の1年前まで遡って調べられてしまうので、今後かなり厳しくなることが予想されます。

(2) 保守点検及び維持管理

設備が適切に保守点検及び維持管理されているか、必要な体制を整備・実施することが義務付けられます。

◆保守点検及び維持管理の責任者が明確であること
◆保守点検及び維持管理の計画が明確であること

要するに今後、太陽光発電設備のメンテナンスが必須項目となります。

しかしこのメンテナンス計画についての詳細(必須項目についてなど)を、どのような形で報告するかについては、現時点では未定となります。
3月中旬頃に経産省から公示される予定です。

(3) 設備の廃棄

再生可能エネルギー発電設備の廃棄に関する計画が適切であることが義務付けられます。

設備の申請をする時点で、廃棄処分することを想定して計画を立てなければいけません。

具体的には、収支計画の中に廃棄費用が計上されていることが必要です。

また、今後は設備の廃棄前に設備認定を「廃止届」する必要が出てきます。

(4) 標識の掲示

新認定制度では、認定した事業計画(太陽光20kW未満を除く)の主要な情報が、広く一般に公表されます。

発電所にも外部から見やすいように発電事業者の氏名または名称、保守管理責任者、連絡先等の情報を記載した標識を掲示することが義務付けられます。

既存の設備については、新制度に移行した時点から1年以内に掲示する必要があります。

(5) 土地の確保

発電設備の設置場所について、所有権もしくは使用の権原を所有しているか、もしくはこれを確実に取得できると認められるかが審査されます。
具体的には、下記書類の提出が必要です。

◆土地登記簿謄本
◆他者所有地の場合は、賃貸借契約書等

但し、設備認定申請時は土地所有者の同意書のみでも申請可能です。
同意書のみで申請した場合、認定取得後一定期間内に上記書類を提出する必要があり、提出できないと認定取消の対象になります。

(6) 関係法令の遵守

これまで通り、太陽光発電設備の設置にあたり関係法令(条例を含む)の規定を遵守することが義務付けられます。
具体的には、『関係法令手続き状況確認書』を提出する必要が出てくる予定です。

この確認書がどういった形式のものになるのか、項目についてなど詳細は3月中旬頃に経産省から公示される予定です。

 

まとめ

改正FIT法施行によって変更となる点を、主に太陽光発電設備に関わる部分を中心にご案内しました。
まだ細かな部分については明確にされていない点も多く、太陽光発電業者や事業者さんにとっても情報収集の段階であるかと思います。

改正法に則り、平成29年度の設備認定の受付が開始されるのは、平成29年3月21日予定です。
未稼働案件の認定失効、みなし案件の事業計画提出は平成29年4月1日からとなります。

次回、この認定失効やみなし案件について解説していきます。