太陽光発電コラム

太陽電池モジュールごとの管理・監視システム『オプティマイザ』

2016.07.26

ソーラーエッジのオプティマイザでモジュールレベルの監視システムが実現

以前、「運転開始後に売電量を増やす「PVマキシマイザー」が登場!」で、ストリング毎のばらつきを無くし、より効率的な発電を促す方法を紹介しました。
今回はさらに、モジュール毎に出力を管理・監視できるシステムを紹介します。

モジュールレベルでの監視制御の必要性

では、そもそもモジュール毎に管理・監視する必要があるのでしょうか?
現在導入されている太陽光発電監視システムにおいて、そこまで細分化したものは稀です。
ほとんどがパワコン毎の監視、少し進んでもストリング毎の監視をしているという事業主さんがいるくらいかと思います。
しかし、太陽光発電システムの発電量低下には、モジュールを原因とする事例が数多く報告されています。
モジュール自体の不良ではなく、その性能を最大限に発揮できないシステムに問題があるケースも多いのです。

モジュールの出力は電流(Imp)と電圧(Vmp)の掛け算で決まります。
モジュール独自の電流電圧の最適解を得ることができて初めて、そのモジュールの性能を最大限に発揮できるわけです。
この最適解は言うまでもなくメーカーごとに違いますし、もっと言えば同じメーカーでも型番ごと、より正確に言えば個体ごとに違います。
同じメーカーの同じ型番のモジュールを使ったとしても、出荷時には定格容量の±3%の標準偏差があるのです。
つまり設置する時には既にそれくらいの発電力の差が、モジュール一枚一枚に生じていることになります。
こうしたモジュールの差が、設置後さらに広がっていく要因を考えてみましょう。

① 影

まずは影の影響です。
モジュールに大きく影ができる場合は、設備の設置段階で検討されます。
しかし小さな部分影についてはほとんどの場合考慮されません。
屋根設置の場合には、衛星放送用アンテナや隣家の洗濯物、電線などがそうです。
こうした部分影がモジュールの一つのセルに当たることで、他のセルとの間に発電力差を生み出します。
60セルタイプのモジュールでは、セル一つの発電力は60分の1ですが、セルは直列に繋がっているためその影響は他の59のセルに及びます。
しかも、このモジュールが仮に一ストリングに10枚直列されていた場合、他の9枚のモジュールにまで影響することになります。
さらに言えば、集中型パワコンを使っていた場合、この一ストリングは他のストリングにまで影響し、たった一つのセルの発電力低下が一台のパワコン丸ごとの発電量を落とす結果になるのです。

具体的に数字で検証してみましょう。
最適解の状況下で発電していた場合を100%とし、仮に一台のパワコンに繋がれている一枚のモジュールの中の一つのセルに、15%影がかかっているとします。
ストリング数を仮に5回路とすると、影がかかっているセルのあるストリングは、
100%―(1/60×15%)=97.5%で動作することとなり、他のストリングも追従します。
結果、総発電量の2.5%ものロスが見込まれる計算になります。

② 汚れ

次に、モジュールに付着する汚れの影響が考えられます。
太陽光発電システムは屋外に設置されるため、不測の汚染は避けられません。
鳥の糞、落ち葉や花粉、砂、その他の飛来物により、モジュールの表面が汚れた結果、すべてのセルが均等に発電することができず、出力の差を生むこととなります。
メンテナンスは年に一度という事業主も多い中、モジュールの洗浄をまめに行うコストもばかにならないので後回しになりがちです。
こうした小さな汚れも、発電量低下の原因になりかねません。

③ 表面温度

さらに、表面温度の違いによって、モジュールの出力に差が出ることも考えられます。
設置環境により、モジュールの表面温度に差が出ることはよくあります。
当協会でも完工後に実施している竣工チェックにおいて、サーモグラフィを用いたモジュール表面の温度計測で、アレイの端と端ではかなり差が出るという結果を目にします。
特に影がかかっているような状況ではなくとも、例えば風が強く吹き付ける箇所では、モジュール表面が冷まされて温度が下がります。
傾斜地に設置している場合などでは、低地と高地とで設置環境に変化が出ることも多いため、このような温度差が生まれるのです。
実際に、たった数メートルしか離れていないにも関わらず、10℃近く温度環境の異なるケースもあります。
表面温度に差が出ると、低効率の温度係数が変わるため、モジュールの電圧値にばらつきが出ます。

④ 経年劣化

太陽電池モジュールは20年間で少しずつ劣化していきます。
劣化の原因は、通常ではシリコンの経年劣化による発電効率低下だと思われますが、劣化が激しい場合はモジュール裏側のEVA樹脂の経年劣化などによってモジュール内部に水分が入り込み、電極や配線などが腐食している可能性なども考えられるます。
初年度の劣化は、ほとんどのメーカーで最大出力値の1%~3.5%程度です。
この差はそのままモジュールの個体差でもあるわけですから、モジュールの出力差は年々開いていくことになります。

 

ソーラーエッジのオプティマイザの利便性

ロス値の低減

こうしたモジュールごとの出力差を軽減させるために、今回ご紹介するのがソーラーエッジのオプティマイザです。
モジュール一枚一枚に設置することで、モジュールの出力低下を素早く察知し、最大電力点追従機能によってロスを取り戻します。
前述の例で考えると、影のかかっているモジュールのみ85%、その他のモジュールには影響せず100%発電するため、全体にすると98.5%で動作します。
ロス値は総発電量の1.5%に留まり、オプティマイザをつけない場合に比べてロス値を低減できることが分かります。
ソーラーエッジ公式資料によると、最大25%の出力増が可能です。

また、発電システムをより細かく詳細に監視することが可能になります。
ネットさえ繋がればどこからでも閲覧可能な上、メールアラート機能により発電力低下のタイミングで知ることもできます。
遠方の発電所の場合、定期的に様子を見に行くこと自体事業主にとって負担になりますが、この機能によって訪問回数を減らし、メンテナンスフローの短縮化もはかれます。
パネル単位での相対比較も可能になり、より効率的なメンテナンスシステムを構築できます。

地絡事故や火災の予防

太陽光電池モジュールは、昼間は常に発電しています。
ケーブルの破損部から漏電し、火災や感電事故が発生する可能性は常に付き纏います。
万一、火災事故が起こった際、放水作業中に感電事故が起こる危険性もあります。
アークなどが発生した際に、不用意に発電システムに触れてしまい、感電事故が起こってしまう場合も考えられます。
現在の太陽光発電設備では、こうした場合に備えて安全性を確保するシステムがありません。
しかしソーラーエッジのオプティマイザを使えば、設置・メンテナンス中はセーフティ機能により、最大出力1Vに抑えるように設計できます。
一つの発電所で1000Vにまで電圧値が上がってしまっている場合、火災時の放水で漏電の可能性があります。
安全電圧まで自動ダウンすることで、漏電を予防し、緊急事態に備えます。

ケーブルコストの削減

ソーラーエッジではオプティマイザ搭載用のパワコンを開発しています。
現在日本で販売開始しているのは、24.75kW低圧用パワコンと、33.3kW高圧用パワコンです。
低圧太陽光発電所では、24.75kWパワコン2台で済むので、結線作業が短縮できます。
従来の5.5kWパワコン9台のシステムと比べてみても、モジュールからパワコン間、さらには分電盤までのケーブル数をかなり減らすことが可能になります。
ケーブル数が少なくなれば、その分漏電の心配も低減します。

別メーカーのモジュールも直列に接続可能

増設時に既存設備のモジュールとは別の型番、メーカーを使うことも多いです。
以前ご紹介したPVマキシマイザーでも、別メーカーのモジュールを並列に接続することは可能でした。
オプティマイザはさらに、直列に接続することも可能です。
モジュールごとにオプティマイザをつけることで、一枚ずつの電圧値差を揃えることができるためです。
但し、結晶タイプのモジュールとソーラーフロンティアに代表される薄膜系タイプは、同ストリング内には繋げませんのでご注意下さい。
中途半端な数の在庫を抱えていたり、設備認定を申請した時より枚数を増やしたために数を確保できなかったりして、システム設計に頭を悩ませている事業主さんたちにお勧めです。

 

オプティマイザはモジュール一枚ずつに設置可能ですが、コスト面等を考慮して数枚ごとに設置する方など様々です。
事業主さんのコストやシステム設計内容に合ったプランをご提案できますので、ぜひ一度お問合せ下さい。

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