太陽光発電コラム

ソーラーフロンティアのCIS太陽電池について

2016.06.20

ソーラーフロンティアのCIS太陽電池について

地形の起伏に富み、気候が安定しない日本で太陽光発電を設置しようと考えた時、
事業主さんが最も優先することの一つが、モジュールの発電力です。

数あるモジュールメーカーのうち、どのモジュールが一番発電するのか?
コストパフォーマンスが良いのはどのメーカーなのか?
シミュレーション数値が最も高いのは?

当協会でもこんなお問い合わせがとても多いです。

その中でも人気なのが、低照度特性があり曇りの日でも発電する、
ソーラーフロンティアのCISモジュールです。

昭和セルを前身とした太陽光モジュールのメーカーとして、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
システム保証も充実しており、国内メーカーの中では比較的安価なこともあって、当協会でも人気の高いメーカーです。

シリコンセル結晶系モジュールとソーラーフロンティアCIS太陽電池の違い

しかし、太陽光モジュールのほとんどがシリコンセルの結晶系なのに対し、
ソーラーフロンティアのモジュールはCISを採用しています。
このことで、他のメーカーに比べて切り替えが困難だと感じる方も多いです。

例えば、結晶シリコン系のモジュールの場合、
セルの数で大体のモジュール面積も決まっています。
メーカーが違っても、同じ60セル多結晶モジュールであれば、
そこまで大きさや出力に違いはないわけです。

しかしCISモジュールに変更する場合、モジュールのサイズがかなり違うため、
架台の割付から作り直し、ということは珍しくありません。

多結晶モジュールのサイズ例 265W 1650mm×990mm×40mm
CISモジュールのサイズ 170W 1257mm×977mm×35mm
結晶シリコン系モジュールに比べ、CISモジュールは約75%の大きさしかありません。

また、多結晶モジュールが現在255W~265Wを最大出力値としているのに対し、
CISモジュールは170Wです。

単純に計算しても、同じだけの容量のシステムを作るのに、
約1.5倍の枚数を必要とすることになります。

50kW=255W×197枚
50kW=170W×296枚

モジュールの枚数が増えるということは、それだけ接続ケーブルの数も増え、
設置するための架台の材料も増え、当然ながら土地の面積も多く必要になります。

しかしそれだけソーラーフロンティアのモジュールには魅力があるわけです。
従来の結晶シリコン系太陽電池に比べて、
CISのモジュールは高温時の出力ロスが少なく、
部分的な影の影響も少ないと言われています。

さらに、太陽光に当たると出力が上がるという性質をもっているので、
実質的な発電量で結果を出すことができます。

では、実際にソーラーフロンティアに変更しようと思った時、
どう設計していいか分からずにご相談される方も多いです。

同じパワコンにどれだけ接続することが可能なのか?
集電ケーブルって何? 何本必要なのか?
システム保証を受けるには?

このようなお問い合わせが大変多いので、
今回は具体的なシステム設計について、計算方法をご紹介します。

ソーラーフロンティアのシステム保証で指定されるの多いオムロン社のパワコン、
塩害地域にも強く機器保証が業界最長20年のSMA社のパワコンを例にあげて説明していきます。

ソーラーフロンティアCIS太陽電池の設置例

【オムロン屋外用5.5kWの場合】KP55M-J4-A

このパワコンの入力電圧範囲は150~400Vです。
ソーラーフロンティア170Wの開放電圧は112Vなので、

150V÷112V=1.33…
400V÷112V=3.57…

小数点以下は切り捨て、最小直列枚数は1枚、最大直列枚数は3枚となります。
要するに1枚でも接続すれば、パワコンは起動するわけです。

ここまでは結晶シリコン系モジュールと同じ計算方法ですが、問題は並列計算です。

このパワコンの回路は4回路であります。

他のモジュールであれば1回路に1並列がせいぜいですが、
ソーラーフロンティアのCISモジュールは電圧値が高く電流値が低いという性質があります。

入力電流値は1回路につき10Aなので、

10A÷2.2A=4.54…

となり、小数点以下切り捨てで最大並列数は4並列となります。

1回路に3直列したモジュールをさらに4並列できるため、
3×4=12枚繋げることが可能となり、4回路で1台48枚乗せられる計算になるわけです。

1回路に4並列させるために必要になるのが、4集電ケーブルです。
同様にして、3並列させるためには3集電ケーブル、
2並列させるためには2集電ケーブルが必要になります。

4回路にそれぞれ4並列させれば最大枚数48枚を設置できます。

但し、ソーラーフロンティアの定める最大設置枚数は、
パワコン容量の110~120%程度になるよう設計されており、
170Wモジュールの場合39枚/台となっています。

つまり、ソーラーフロンティアのシステム保証を受けられる範囲内で、
このパワコンに最大枚数を設置したい場合、

3直×13並列=39枚が限度ということになります。

13並列を4回路に振り分けると、

4並列+3並列+3並列+3並列=13並列

になるので、1台のパワコンにつき4集電ケーブルが1本と
3集電ケーブルが3本必要になることが分かります。

もちろん、この振り分けは全部で13並列になれば問題ないので、
例えば4並列+4並列+3並列+2並列でもいいわけです。

この場合は、4集電ケーブルが2本、3集電ケーブルが1本、
2集電ケーブルが1本必要になりますね。

あとはこの数をパワコン台数に掛ければ、集電ケーブルの必要数が算出できます。

【SMA単相4.5kWの場合】SB4500TL-LP-22

SMAの三相パワコンは、非接地体のトランスレス方式です。

通常であれば絶縁トランスは不要ですが、
日本では東京電力以外の大半の電力会社で絶縁トランスの設置を義務づけています。

その分コストがかさむため、今回は絶縁トランス設置不要の
単相4.5kWパワコンを使う前提で、考えていきたいと思います。

前半部分はオムロンのパワコンと同じです。

450V÷112V=4.01…

1回路につき4直列が最大です。

このパワコンは2回路に2入力端子あるので、4並列可能です。
それぞれに4集電ケーブル接続すると、

4直列×4集電×4回路=64枚/台になります。

但し、ソーラーフロンティアは「1つの絶縁回路に8並列まで」を保証範囲としているため、
通常このパワコンには8並列×2回路=16並列までしかできない計算になります。

そこで裏技として登場するのが、逆流防止ダイオードコネクタです。

日陰になったモジュールのセルや、夜間に発電していない場合に、
バッテリーや他のモジュールから電流が逆流するのを防ぐのが『逆流防止ダイオード』です。

電流は電圧の高い方から低い方へ流れます。
発電していないモジュールは電圧が低いので、
より電圧の高いほかのモジュールやバッテリーから電流が逆流してしまいます。

逆流防止ダイオードをモジュールと直列に接続することで、
この逆流を防ぎ、1回路の電流値を保つことができるわけです。

このパワコンの入力電流値は、1回路につき15Aまでです。

2.2A×4集電×2並列=17.6A/回路

で超えてしまうので、並列に使えるのは3集電ケーブルまでになります。

4直列×3集電×4並列=48枚

が、1台あたりの最大設置枚数です。

4.5kWパワコンなので、低圧では11台まで使用できます。

48枚×11台=582枚設置可能

となり、

528枚×170W=89.76kWの過積載になります。 

この逆流防止ダイオードコネクタを使用することで、
ソーラーフロンティアのシステム保証に加入することも可能です。

但し、逆流防止ダイオードコネクタを使うときは、
余裕をもったダイオードを使うように気をつけて下さい。

具体的には定格の2~3倍の物を選ぶのが良いと思います。
モジュールの出力電流が5A程度であれば、
10~15Aのダイオードを使うことで予期せぬダイオードの破損を防げるでしょう。

但し、ダイオードも僅かに電力を消費するので、
若干の電圧降下を起こすこともおぼえておいてくださいね。

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