太陽光発電コラム

運転開始後に売電量を増やす「PVマキシマイザー」が登場!

2016.06.09

運転開始後に売電量を増やす「PVマキシマイザー」が登場!

前回「連系後の太陽光発電に関するお悩みを解決!」でご紹介した未利用地への増設方法について、今回は詳しくご説明していきたいと思います。
もちろんこの内容を理解できていなくても、増設は可能です!
難しい話は不要だと思われる方は、当協会までご相談いただければ設計からすべてお手伝いさせていただきますので、この記事は読み飛ばして下さい。
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太陽光発電所のシステムについて

42円36円案件の事業主さんの多くは、太陽光設置業者に委託して設備認定申請から連携工事までされたかと思います。
パネルメーカーの選定には加わっても、パワコンまでは選んでいないという事業主さんは多いです。
まずは既設備のパワコンを確認しましょう。
「集中型」「単一型」「マルチストリング型」どのタイプですか?

「集中型」「単一型」パワコンの場合、ストリングの出力を接続箱で一本化し、パワコンに送り込み、直流(DC)を交流(AC)に変換して売電します。
各ストリングの長さは、電圧を同一にするために全て同じになっています。
今回はこのタイプのパワコンを使用しているという前提でお話を進めていきます。

ストリングと影の影響

前述したように、ストリングの長さを全て等しくするのは、パワコン側の都合によります。
理想的な条件下であれば、モジュールの特性は全て同じであり、同量の日射光を受けることになります。
モジュールの出力は電流(Imp)と電圧(Vmp)の掛け算で決まります。
例えば、インリー60セル多結晶モジュールYL265P-29bの場合、
最大出力動作電圧30.5V×最大出力動作電流8.7A=265.35Wとなります。
日射量が決まると、出力が最大になる最適動作点(電流と電圧の組み合わせ)が1つに定まります。
時間や条件によって日射量は変化していきますので、最適動作点(の電圧)を決めるのはパワコンの役割となります。
これを最大電力点追従制御(MPPT)と呼びます。

仮に、1つのストリングのごく一部に影がかかってしまうとします。
すると当然ながらモジュールに当たる日射量が下がるため、そのストリングの最適な動作電圧も低下します。
しかし、パワコンは多数側のストリングに合わせて制御するため、この1ストリングに追従することはなく、動作電圧は変わらず元の状態を保持したまま運転し続けます。
このため影がかかった1ストリングの出力が、大きく下がってしまうことになります。

このような理由により、従来の太陽光発電所では、敷地内の影になりやすい場所や、その付近にモジュールを配置しない設計が基本でした。
そのため敷地内にモジュールを敷き詰めることができなかった土地が余っているという方も多いのではないでしょうか。
こうした未利用地を活用するべく、複数のモジュールから新しいストリングを増設し、発電量を増やすことが可能な製品が登場しました。
それが今回ご紹介する、ニプロン社が開発した「PVマキシマイザー」です。

PVマキシマイザー導入のメリット

「PVマキシマイザー」は、既に売電を開始した太陽光発電所の能力をさらに高め、売電収入を増やす方法として有効な商品です。
なんといっても最大の利点は、増設するストリングの長さが既設のものと違っても大丈夫なところでしょう。
なぜ大丈夫なのかというと、「PVマキシマイザー」を新たに設置したストリングの末端に取り付けると、既存のストリングと同じ電圧まで効率良く昇圧できるからです。
ばらつきのあるストリングの低い箇所に取り付け、高いストリングに合わせて昇圧することで、影のかかってしまうモジュールがあっても、他ストリングが影響を受けることはありません。
同様の理由で、既設備と違うモジュールを増設することも可能です。
違うメーカーのモジュールを使ってみたいという方には、ぜひお勧めしたい商品です。
ではその導入メリットについてご紹介します。

導入のメリット1:売電価格を変更することなく設置できる

既存の太陽光発電所にストリングを増設しても、一部の場合を除き、パワコンを変更・追加しなければ、固定価格買取制度による売電単価が変わることはありません。
「PVマキシマイザー」を利用する場合、パワコンには一切変更は生じませんので、単純に既設備の発電容量が増え、当然ながら売電収入の増幅が見込めます。
仮に新設が24円/kWh、増設が32円/kWhで売電できるとすれば、年間およそ50万円の差が出ます(全国平均60,000/kWhと仮定)。
10年で500万円、仮に固定価格買取制度の残年数が15年なら、750万円の収益差です。

導入のメリット2:設置費用の回収年数を短縮できる

太陽光発電所を設置する場合、複数のストリングの最大出力の合計とほぼ等しい容量のパワコンを設置することが今までの基本的な設計でした。
例えば50kWの太陽光発電所には、容量49.5kWのパワコンが設置してあります。
しかし、モジュールの出力が最大になる時間は一日の中のごく短い期間です。
日射量の最も多い正午以外の時間帯は、パワコンは最大値49.5kWを出力することなく、余力を残して運転しています。
ストリングを追加することで、こうした余力運転時間以外の発電量が上乗せされ、1日を通して見ると発電量が増える計算です。
もともとの設置量の1.5倍までモジュールの量を増やしたとしても、ピークカットされる電力は年間2%未満だということが分かっています。
つまり、増設分の98%はそのまま売電収入を増やしてくれるわけです。

導入のメリット3:新設するより設置費用を抑えることができる

増設の場合、受変電設備やパワコンなどの費用が不要になるため、「PVマキシマイザー」の追加コストを含めても、新設より安価になります。
また、連系工事の必要が無いため、電力会社の立会工事日程を待つ必要が無くなります。
架台とモジュール、「PVマキシマイザー」の設置だけで完工することができるのです。

導入のメリット4:「PVマキシマイザー」の昇圧機能

ニプロンによれば、モジュールを増設せずに、「PVマキシマイザー」を単独で導入した場合でも発電量が増加すると見込まれています。
既設備の影や、モジュールの特性ばらつきの影響を取り除くことができるからです。
設備設置の際には度外視した小さな影や、フェンスの影など、実際にはモジュールの発電に影響している可能性があります。
こうした小さな影以外にも、モジュールの出力が工場出荷時に最大10%ずれていること、経年劣化によって導入後数年で電圧が低下すること、風の流れなど外的要因により部分的に高温の太陽電池モジュールがあることなど、ストリングごとの電圧が互いに異なってしまっている原因は様々考えられます。
「PVマキシマイザー」はこれら全ての状況に対応し、ストリングの電圧を揃えます。

導入のメリット5:O&Mのコスト低減

「PVマキシマイザー」はストリングごとに電圧を制御しており、電流値も分かります。
「PVマキシマイザー」から情報を得ることで、電圧と電流を個別にリアルタイム監視できるO&Mシステムを創ることが可能です。(システムは別設備です)
一般的な監視ソリューションではパワコンから情報を得ており、全てのストリングの電圧は同一なので、電流のみを監視しています。
しかし、モジュールは定まった電流で動作するため、ストリングごとに電圧を監視できるシステムを利用することで、故障などを事前に見つけやすいという利点があります。
また、電流や電圧のリアルタイムデータを保存し、処理する機能を備えています。
ストリングごとに過去と現在の出力を比較できる他、ストリング間の比較も可能です。
例えば、全ストリングの出力が同期して上下した場合は天候要因だと判断でき、1ストリングだけ挙動が異なる場合は、設備に何らかの問題が発生した可能性が高いと判断できるようになるわけです。

 

いつでもお気軽にご相談下さい!

以上5つのメリットをご紹介しましたが、発電所の設置状況等から、活用方法は人それぞれです。
また、既設備の容量や使用しているモジュールやパワコンの種類によっては、「PVマキシマイザー」の導入は不要な場合もあります。
事業主さんのご希望に添った増設プランをご提案しますので、ぜひ一度ご相談下さい!

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