太陽光発電コラム

水上メガソーラーがアツイ!増加の背景には日本ならではの事情?

2016.04.19

水上メガソーラーが増えています

水上メガソーラー
(出典:日本経済新聞)

ため池や貯水池に設置されるメガソーラー、
いわゆる「水上メガソーラー」の建設が目立っています。

上の写真は、兵庫県加西市にある、出力約2.3MWの水上メガソーラーで、
水上メガソーラーとしては、世界最大規模ということです。

さらに、千葉県の山倉ダムでは完成すれば世界最大規模となる
水上メガソーラーを2017年から運転することを目指し、
2015年から工事が始まっています。

この発電所は13.4MWもの発電能力を持ち、
年間1600万kWh、約4,500世帯をもまかなえる規模です。

いったい、なぜいま水上メガソーラーがこんなにも注目されているのでしょうか。

水上メガソーラーはなぜ増えているのか?日本ならではの事情があります

水上の太陽光発電所は、地上よりもコストも手間もかかるといわれています。
それでも発電所の建設が増えている背景には、日本ならではの事情があるようです。

日本の天候や地形の事情 その1、ため池が多い

日本の年間降水量は比較的多いといわれています。

ですが、稲作で水が必要となる時期には必要なだけの降雨量がないことも珍しくありません。
特に真夏は水不足が深刻になることもあります。

また、日本は急な地形で急流河川が多いため
雨が降っても、水は穏やかには流れず一挙に下流に押し流され
海へ流れ出てしまいます。

こういった事情から、梅雨の時期に水を蓄えておけるように
「ため池」が多く作られたといわれています。

日本の天候や地形事情 その2、調整池が多い

また、日本は台風や集中豪雨に見舞われることが多い国です。

河川の流下能力を超えてしまわないように、
雨水を一時的に貯めておく「調整池」も多数あります。

固定価格買取制度による地上の太陽光発電事情

一方で地上に目線を動かすと、固定価格買取制度の影響を受け、
太陽光発電所は急速にその数を増やしています。

地上に乱立する太陽光発電所による景観問題も叫ばれています。

そのため、太陽光発電に最適な土地を見つけることは次第に困難な状況になっています。
特に、広い土地が必要なメガソーラーでは深刻な問題です。

【天候・地形の事情】+【メガソーラー用地に関する事情】=水上メガソーラー

そこで、日本中にたくさんあるため池や調整池を
メガソーラーの発電所にしようという動きが活発になってきました。

土地探しに困っていた発電事業者にとっては非常に助かりますし、
地方自治体にとっても賃借料を得ながら維持管理ができるメリットがあります。

水に浮くパネル!水上メガソーラーの仕組み

水上メガソーラーでは、どのようにして水上にパネルが設置されるのかご存知でしょうか。

水上の発電所では、パネルは特別な架台の上に載せられます。
「フロート」と呼ばれる軽量架台で、高密度のポリエチレンによってできています。

フロートは水に浮くので、パネルはつまり、水上に浮かぶような形で設置されます。

※パワーコンディショナーや集電箱などは地上への設置となります。

水上メガソーラー
(出典:スマートジャパン)

水上メガソーラーのメリット

ところで、水上に設置するメリットは何でしょうか。

●影ができにくい
水上には地上のように、建物や木々など太陽光を遮るものがほぼありません。

そのため、影を考慮した建設などの必要もなく、
広い面を存分に使ってパネルを並べることができます。

●パネルの冷却効果により、発電効率の低下が抑えられる
太陽光パネルは、温度が上がると発電効率が下がってしまいます。

水上に設置した場合、パネルが冷却されるため
約10%の発電効率上昇を期待できるといわれています。

●整地が不要
地上にメガソーラーを建設する際にネックとなるのが整地・造成コストです。

山が多く、平地を確保するのが難しい日本で広い土地を確保するには
どうしても整地や造成を行わなければいけません。

しかしながら、水上であれば水面は水平ですので、整地にかかるコストが削減できます。

●除草の手間がかからない
地上の発電所にとって大敵となるのが雑草ですが、
水上であればその心配もほとんどありません。

水上メガソーラーのデメリット

もちろん、水上ならではのデメリットもあります。

●メンテナンスに手間がかかる
●地上への設置に比べ、工期が長くなる
●防水・絶縁・耐食処理にコストがかかる
●増水・渇水時などの事例が少ない
●台風・強風などに対する事例が少ない
●生物の生息状況など環境に対する配慮が必要

これらのデメリットは水上ならでは。
ただし建設数が増えているので、事例に関しては今後少しずつ蓄積されていくと考えられます。

最後に

政府が再生可能エネルギーに力を注ぐ中、水上メガソーラーは非常に注目さています。

当協会でも、水上メガソーラーについて情報を集めておりますので、
興味のある方はどうぞお気軽にお問い合わせください。