太陽光発電コラム

再生可能エネルギーの最終兵器バイオマス発電について

2015.10.13

常に安定した発電量を確保できるバイオマス発電

売電価格が年々下がっている太陽光発電を見ていると再生可能エネルギーはもう終わりなのかな?と思ってしまいます。

しかし、政府の再生可能エネルギーの計画を見てみると一向にそんな気配はなく、今後もできるかぎり増やしていくと大々的に発表されています。

そんな中期待されているのは太陽が出ているときにしか発電ができない太陽光発電や太陽光以上に自然の影響を受けやすい風力発電ではなく、常に安定した発電量を確保できるバイオマス発電なのです。

バイオマス?と聞くとどのようなものをイメージしますか?

私が始めてこの言葉を聞いたときは恥ずかしながら、SF映画に出てくるような近未来的なものでえたいの知れない何かから発電を行うような特殊な装置を用いて発電を行うもの?となんとなく思っていました。

まだまだ浅い知識ながら勉強した今でこそそんなに難しくなく、もっと身近な発電事業と胸を張っていえますがバイオマスという言葉はどことなく勉強するきっかけをなくしてしまうような気がいまだにします。

このコラムではできる限りわかりやすくバイオマスとは何か?ということをご説明させていただければと思います。

まだまだ勉強中のためつたない内容のところもあるかと思いますができる限りわかりやすくご紹介できればと思います。

バイオマスの正体とは!

バイオマス発電≒火力発電

いろいろと反論は出るかと思いますがバイオマス発電を一番簡単にイメージしてもらうと上記のように表すことができると思っています。

ただし、通常の火力発電はLNG(ガス)や石炭、石油が使われており、これらの燃料を燃やしてタービンを回して発電を行います。

バイオマス発電≒火力発電と記載さえていただいたのはバイオマス発電と火力発電の仕組みはほとんど同じ、違う点は燃料に何を使っているのかというイメージだからです。

バイオマス発電は再生可能エネルギーのひとつですので再生できる資源を使って発電しています。

再生可能エネルギーの代表格である太陽光発電や風力発電が自然エネルギーを使って発電するため、自然エネルギーを使うものが再生可能エネルギーと勘違いされやすく、バイオマス発電も何か自然エネルギーを活用するものと考えている方が多いですが実はまったく違います。

再生できる資源とはいったい何なのでしょうか?
バイオマスが何を使って発電を行うものなのかをご紹介します。

バイオマス発電の種類

火力発電が限りのあるLNGや石炭、石油に対してバイオマスは再生が可能な資源になります。

再生可能な資源というとイメージがしにくいですが、代表的なものは捨てる木材、家畜排泄物、汚泥、食品拝殿物、などになります。

本来、捨てるものであるこれらをエネルギーとして復活させるというのがバイオマス発電のすばらしいところです。

ざっくり記載させていただいたもの以外にもバイオマス発電の資源は下記のように分類することができます。

【バイオマス発電の種類】
バイオマス分類

(出典:資源エネルギー庁『なっとく!再生可能エネルギー』)

この文章を見てくれている方の中にはこんなものどうやってエネルギーにするの?と思われる方が多いと思います。

どう考えても捨てる以外の方法が見出せないこれらのものが電力に変わるはずがない!普通に考えればこのように思います。

これらのものをどのようにエネルギーに変えるのか?ここを説明する前に、バイオマス発電の種類についてもう少しご紹介します。

バイオマス発電の売電価格について

バイオマス発電の種類を知る際に必ず知っておかなくてはいけないことが、バイオマス発電の売電価格です。

太陽光発電であれば1kW27円、風力発電であれば1kWあたり55円と同じようにバイオマス発電も売電価格が決まっているのですがバイオマス発電は少しわかりにくくなっています。

下記は『なっとく!再生可能エネルギー』のページに掲載されているバイオマス発電の売電価格を表している表と同じ内容のものです。

太陽光 10kW未満 10kW以上
余剰買取 ダブル発電・余剰買取 平成27年4/1~6/30
(利潤配慮期間)
平成27年7/1~
出力制御対応機器
設置義務なし
出力制御対応機器
設置義務あり
出力制御対応機器
設置義務なし
出力制御対応機器
設置義務あり
売電価格 33円 35円 27円 29円 29円+税 27円+税
売電期間 10年間 10年間 20年間 20年間
風力 20kW以上 20kW未満 洋上風力 地熱 15,000kW以上 15,000kW未満
売電価格 22円+税 55円+税 36円+税 売電価格 26円+税 40円+税
売電期間 20年間 20年間 20年間 売電期間 15年間 15年間
水力 水力 既設導水路活用中小水力
1,000kW以上
30,000kW未満
200kW以上
1,000kW未満
200kW未満 1,000kW以上
30,000kW未満
200kW以上
1,000kW未満
200kW未満
売電価格 24円+税 29円+税 34円+税 14円+税 21円+税 25円+税
売電期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
バイオマス メタン発酵ガス
(バイオマス由来)
間伐材等由来の木質バイオマス 一般木質
バイオマス・
農作物残さ
建設資材廃棄物 一般廃棄物
その他のバイオマス
2,000kW未満 2,000kW以上
売電価格 39円+税 40円+税 32円+税 24円+税 13円+税 17円+税
売電期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間

※売電価格は2015年度のものです

(参照:資源エネルギー庁『なっとく!再生可能エネルギー』)

バイオマス以外の項目は容量によって売電価格が異なっていますが、バイオマス発電だけは資源によって売電価格が異なっています。

大きく分けると、メタン発酵ガス、間伐材、一般木質・農作物残さ、建築資材廃棄物、一般廃棄物です。

バイオマスの種類は売電価格が違うこれらによって分けることができます。
ただし、1つのバイオマス発電所で複数の資源を使うことが可能なのでこの5種類の発電所が別々に有るのではなく使う資源が異なるだけでひとつの発電所ですべてをまかなうことも可能となっています。

わかりにくくなってしまいますが、簡単に整理しますとこれらの資源はすべて燃やすために使い、これらの資源を燃やしたエネルギーでタービンを回すのがバイオマス発電になります。

必要な機器について

ここまではバイオマス発電とはなに?ということついてご紹介させていただきました。
なんとなくわかっていただければ幸いです。

捨てるはずの資源をエネルギーとして活用するためにはただ燃やすだけではいけません、何かしらの加工を行ってからでないとタービンを効率よく動かすことができません。

バイオマス発電にとって必ず必要なものが資源を分離・乾燥・固めるための機器です。
木材をそのまま燃やすと効率的な発電ができないので炭を作るようなイメージです。

メタン発酵に関してはこのとおりではないのですが多くの資源は不純物が含まれているのでそれらを分離、その後乾燥して燃やすことができるようにして、最後に燃料として固形物かさせるために固める作業が必要になります。

バイオマス発電はまだまだこれからの産業であるため今後も様々な商品が発売されると思いますがこの3工程をどのように行っていくのかがポイントと考えられています。

バイオマス発電の機器を簡単にいうと次の二つになります。

① 燃料を作り出すもの (分離・乾燥・固形化)

② 発電させるためのタービン

これら機器がそろってバイオマス発電が可能になります。

メタン発酵に関しては当協会でもまだまだ勉強不足のため、今後のコラムで改めてご紹介できればと思います。

バイオマス発電成功のポイントは

太陽光発電が爆発的に普及した背景には設置を行えば後は勝手に発電を行ってくれるとい点が非常に大きいと思っています。

その点バイオマス発電は何もしなければ一切発電を行いませんし、資源は集めなければ手に入りません。

簡単に発電できるという観点から見ると太陽光発電には遠く及ばないほどの手間がかかってしまいます。

そのため、進めようとご相談をいただいている方々はすべて法人の方で、本格的に発電事業に参入しようとしている方がほとんどです。

バイオマス発電は今まで発電事業を行ったことがない方でも参入が可能な発電事業なのでしょうか?

答えは参入可能です。

何度も記載しますが、太陽光発電ほど楽ではありません。
バイオマス発電を成功させるためにはいかに資源の調達を行うかが重要となっています。
この資源調達さえできればバイオマス発電はほかの再生可能エネルギーよりも安定的に大きな収益を上げることが可能です。

資源の調達方法は大きく二つです

① 民間からの仕入れ

② 地方自治体との協力体制を築く

①は主に間伐材や建設資材廃棄物になります。
資源を買って電力を生み出す、この場合資源調達コストに気を使う必要があります。

②は一般廃棄物は糞尿・汚泥になります。
こられはどうしても地方自治体との協力体制が必要になります。

今までの経験でお話をすると、①は仕入れルートの確保のみですのでそんなに難しくはありません、景気に左右される点があるので資材調達コストを常に先読みして仕入れルートを広げたり、絞ったりすれば大きなリスクは発生しません。

②の地方自治体との協力体制が取れれば資源調達はかなり安定し、資源調達コストも抑えることができ、規模を大きくすることも可能になるでしょう。

しかし、地方自治体と協力体制をとるためには時間がかかるだけでなく実績が必要になります。
そのため、すぐにできるものではないため中長期的にアプローチを行う必要があります。

多くの方が始めるプランとして考えるのは①を優先的に行いつつ②に関しては徐々にアプローチをしていく。
②との協力体制が取れれば、事業を広げるか①の割合を減らして調達コストを安定させる。

このようなプランで取り組んでいけばリスクを限りなく抑えて、発電事業を成功に近づけることができるといえます。

日本全国で見てもまだまだ事例が少ないバイオマス発電ですが政府の動きとして安定的に発電できるバイオマス発電は今後増やしていくといわれています。

日本住宅工事管理協会でも常に新しい情報を取り込み、皆様に配信していくことで多くの方に興味を持っていただけるように努めていきたいと思います。

最後に

バイオマス発電は再生可能エネルギーの中では唯一自然エネルギーに頼らない発電事業です。
そのため、発電量は安定しやすく、不安定な電力供給が多い再生可能エネルギーの中では特に期待をされている発電事業です。

ただし、わかりにくい点が多く、また他の発電事業とは異なり設置をしたら勝手に発電してくれるものではないため敬遠されがちになってしまっています。

環境にとってすばらしい働きがあるだけでなく収益の面から見ても魅力の多い、この発電事業を日本住宅工事管理協会では今後も皆さんにできる限りわかりやすくご紹介していこうと考えていますのでご不明な点や気になる点がありましたらいつでもお気軽にご相談ください。