太陽光発電コラム

観測史上最大の台風から考える太陽光発電所と台風について

2015.08.27

台風被害をなくすために考えないといけない太陽光発電所について

観測史上最大といわれる台風15号が2015年8月24~25日にわたり九州地区をメインに日本列島を横断しました。

70mを超える最大瞬間風速に太陽光発電所や車・トラックなどが飛ばされるという大きな惨事となってしまいました。

当協会とつながりのあった事業者様に確認を取ったところ大きな被害はなく、ある事業者様の敷地内ポール(引き込み柱)が倒れたぐらいで発電所本体には被害がなかったのは不幸中の幸いといえるでしょう。

とはいえ、ニュースを見ているとほかの発電所はそうはならなかったみたいです。
新聞やニュースを見ているとパネルが飛んで隣家に被害を出したり、スクリュー杭ごと飛ばされそうになっている発電所がいくつも紹介されていました。

安心といわれていた太陽光発電のどこが安心なのだろうか?と一部のメディアやネット上では声が上がっているのも見ました。

大きな被害を受け・近隣にも被害を出した発電所だけを見るとそもそも太陽光発電所の設置はどうなのか?と考えさせられることもあるかと思いますがむしろニュースで取り上げられるような例はまれでほとんどの発電所は台風が通り過ぎたあとも正常に稼動を行っています。

本コラムでは台風被害が起こる原因・防ぐための方法・仮に起こった場合どのような処置があるのか?についてご説明していきたいと思います。


台風被害が起こった原因

台風によって太陽光発電所に大きな被害が起こるのは、風による影響が多いです。
通常からは考えられないような強風が吹くことで、パネルが上に引っ張られ、架台が耐え切れなくなり、変形したり、ひどい場合は杭や基礎ごと引き抜かれてしまいます。

架台が変形するとパネルを押させている金具が外れやすくなってしまい、パネルが飛んでしまう可能性が高くなります。

通常のパネルサイズは1620mm×992mm、重量20kgで大きく重たいです。
強風にあおられて飛んできたパネルが家や人に直撃するとただではすみません。

強風を受けて太陽光発電所が壊れてしまう原因はいくつか考えられます。
① 杭や基礎などの引き抜き強度不足
② 架台の強度不足
③ パネル角度
それどれの内容や対処方法については次の防ぐための方法でご紹介します。

予想できない風が吹くことこれからも起こる可能性があり、強風に対してどのような対応策をとるかが重要になってきます。

台風被害を防ぐための方法

台風被害を防ぐためには次のような方法があります
① スクリュー杭ではなく基礎を使う
※コンクリート量を増やす
② 強度の高い(保障がきちんとしている)架台を使う
③ パネル角度を低くする

① スクリュー杭でなく基礎を使う

一般的にスクリュー杭よりも基礎のほうが風などには強いといわれています。
スクリュー杭でも設置するための通常の目安となる引き抜き強度を出すことは可能ですが、今回のように通常とは異なった規模のかぜが吹くのであれば話は異なります。

スクリューでも引き抜き強度を高くするために通常よりもねじの羽根が大きいタイプの軟弱地盤用の杭などもありますので一概には言えませんが基礎の場合はコンクリートを入れる量を増やすことで風に対する強度を高くすることができます。

基礎のほうが絶対によいと決めるけることはできませんが、台風などの影響を受けやすい場合、土地の地盤が弱い場合は基礎にて架台を設置するほうが無難かも知れません。

② 強度の高い架台を使う

強度の高い架台というよりは品質がよい架台といえるかも知れません。
材質別で考えると架台は次のように分けることができます。
1 アルミ架台
2 ZAM架台
3 スチール架台
4 短管パイプ

強度的には大きく変わりません、重要なのはどのように設計されているかです。
強度を高めるために補強材を増やすなどを行えば強度は強くなりますので材質による違いはそこまでは出ないといわれています。

③ パネル角度を低くする

太陽光発電で発電量が一番高い角度は30度といわれています。
ただし、パネル角度が高くなればなるほど風を受ける面積を増え、架台にかかる負荷が強くなってしまいます。

強風が予想されるのであれば安全のために角度を低くすることも重要です。
風速が強くなく、積雪の影響が強い場所では逆に角度を高くする必要があります。

発電量が高くなるからといって何でも30度にすればよいわけではありませんので、注意が必要です。

「杭」にするのか「基礎」にするのか?架台材質を何にするのか?パネル角度を何度にするのか決めるために重要なのはどこまでの想定を行うかです。

観測史上最大の台風が来ることを予想して太陽光発電所の設置を行っている方はおそらく少ないと思います。

一般的な風速を想定して発電所の設置を行った方が台風被害などに会われている傾向があるように思われます。

ではどこまでの風速を予測すればいいのか?
この点はよく相談を受けるのですが当協会にも明確なデータがあるわけでなく、地元で熟練した会員さんの経験からお答えさせていただいております。

地元だからいいかというとそういうわけではなく、地元で気候に熟知されていても、架台に対しての知識が少なく誤った架台の選択を行ってしまうことが多いです。

やはり適切な知識を持った会社に依頼することが太陽光発電事業を成功させる一番のポイントですね。

もし台風被害を受けてしまった場合

太陽光発電の保障の中に災害補償というものがあります。
名前のとおり災害に対する保障なのですが、事業者の方の中には災害補償に入っているので台風などの災害には保障を使って直すことができると考えられている方もおられます。

設備の購入方法にもよるのですが災害補償が使えない場合がありますので注意が必要です。

災害補償が使えない場合
災害補償には大きく2つのパターンがあります。
1.パネルメーカーが災害補償を持っていてパネルメーカーの災害補償に加入する場合。
2.パネルメーカーが災害補償を持っていなくて独自に災害補償に加入する場合。

1.の場合施設すべてに災害補償を適用するためには、パネルメーカーからパネルだけでなく・パワコン・ケーブル・架台などすべての設備を購入する必要があります。

これらはシステムごと購入するといわれており、購入したものすべてのメーカーが保障を出してくれます。
ただし、メーカーから架台を購入すると非常に金額が高くなってしまうため、架台以外をメーカーから購入し、架台だけは別のところから購入するということが多いです。

こうなると、架台に対してメーカーの災害補償を適用することはできませんので、今回のような災害に対しての免責も架台以外には出ますが架台部分や架台が原因と思われるトラブルに対しての補填は難しいです。
※近隣トラブルなども免責対象にはならないと考えられます

災害補償に入っているからと安心していると災害補償が使えないという思わぬトラブルに巻き込まれる可能性がありますので気をつけてください。

2.の場合は出来上がった設備に対して災害補償がかかっていますので、台風などの影響で設備が壊れてしまったら保険の対象内になりますので安心です。

このあたりをきちんと理解されている方は少ないのでトラブルとして起こりやすいところです。

太陽光発電事業を行われている方で自分のところはどうなんだろう?と思われたのであれば一度設置会社に効いてみることをお勧めします。

万が一、架台が災害補償の対象外であるのであれば、リスクを計算して別の保険に入ることも検討しなければいけません。

台風と太陽光発電事業のまとめ

観測史上最大規模の台風はこれから20年の中でおそらく何回か日本に上陸することだと思います。
上陸した場合でも太陽光発電所をきっちと守ることができるようにしておくことが太陽光発電事業のリスク分散になるかと思っています。

現在、施工が完了している発電所の場合、保険の見直しを行い、万が一に備えましょう。
これから発電所を施工する場合、今回のような強風が吹くことを加味して設計や架台選びを行うことでリスクは下げることができます。

当協会では材料選びから設置までのサポートを行っておりますのでどのようなことでもお気軽にご相談いただければ事業者様のお役にたてるかと思いますので、お気軽にお電話をいただければ幸いです。