太陽光発電コラム

太陽光発電事業と固定資産税

2015.08.07

固定資産税

今回は、これから太陽光発電を始めようとお考えの方に、ぜひ知っておいていただきたい税金のお話しです。特に遊休地などを購入しようとされている方は、地目によっては思いがけない税金が課せられることもあるので、慎重に選ぶようにしましょう。

税金のこと、忘れていませんか

10kW以上のいわゆる低圧発電をお考えの方の多くが「売電価格が下がる前に!」と慌てていらっしゃると思います。確かに、売電価格は20年固定になりますので、非常に重要なポイントです。ですが売電価格が下がっている今だからこそ、慎重になるべきポイントがあります。そうです、税金の問題です。

固定資産税に注意!

低圧発電の魅力は、やはり作った電気をすべて売ることが出来る点です。ですが、売電価格は全て懐に収まるわけではありません。10kW以下の住宅用設備とは異なり、低圧発電の場合は、事業資産とみなされ固定資産税の課税対象となります。

固定資産税の一つである『償却資産税』をご存知ですか

既に太陽光発電事業を行っている方であればご存知かもしれませんが、太陽光発電のシステムは様々な機器が組み合わさっています。これら、一つ一つに償却資産税という税金が課せられます。

課税期間は17年ですから、20年の固定買取期間のうちほとんどが課税対象期間となりますが、当初3年は3分の2の課税額となる処置があります。つまり、4年目以降は税額が突然上がりますので、予め資金計画に盛り込んでおく必要があります。

主な課税対象は以下の通りです。
●太陽光パネル(家屋一体などの場合は対象外)
●パワーコンディショナー
●架台(屋根材などとして家屋と一体となっている場合などは対象外)
●接続ユニット
●表示ユニット
●電力量計
●工事費用 他

ちょっとややこしい? 償却資産税の計算方法

いきなりすごい額の税金がかかるというわけではありません。前述の通り、当初3年は3分の2の課税となりますので、長期計画をする際の計算は4年目以降少し変動します。

まず、発電設備そのものを「評価額」を算出する必要があります。
評価額は、以下の計算式で導きます
●1年目=『取得価格』×『(1-減価率/2)』
●2年目以降=『前年度の評価額』×『(1-減価率)』
※太陽光発電の減価率は0.127です
※算出結果が取得価格の5%よりも小さい場合、原則取得価格の5%が適用されます

評価額が出たら、ようやく償却資産税が算出できます。以下の式で導きます。
●償却資産税=『評価額』×『税率(標準1.4%)』
※当初3年は3分の2の課税となりますので、この期間は『×2/3』となります。

非常に複雑で暗算できるレベルではありませんので、以下に簡単ではありますがまとめてみました。

◆5000万円する設備を設置する場合◆

評価額
課税額
1年目
約44万円
内訳
50,000,000円×(1-0.064)= 46,800,000円 46,800,000円× 1.4% × 2/3 = 436,800円
2年目
約38万円
内訳
46,800,000円×(1-0.127)=40,856,400円 40,856,400円× 1.4% × 2/3 ≒ 381,326円
3年目
約33万円
内訳
40,856,400円×(1-0.127) ≒35,667,637円 35,667,637円×1.4% × 2/3 ≒ 332,898円
4年目
約44万円
内訳
35,667,637円×(1-0.127) ≒31,137,847円 31,137,847円×1.4% ≒ 435,930円
5年目
約38万円
内訳
31,137,847円×(1-0.127) ≒27,183,340円 27,183,340円×1.4% ≒ 380,567円

土地にかかる固定資産税

野立て(空き地などへの設置)をお考えの方は、土地の固定資産税も念頭に入れる必要があります。低圧発電の場合であれば、通常200~300坪の土地が必要です。相当な土地が必要となりますので、なるべく土地そのものの価格を抑えたいとは思うのですが、税金面での注意も必要です(今回は税金のお話しですので土地そのものの選定についてはふれません)。

地目(土地の用途による分類)により固定資産税の課税額は異なります。「山林/原野/宅地/田/畑/雑種地」など、購入される(所有されている)土地の地目をもう一度確認し、固定資産税がどれくらいになるのかをチェックしてください。

※田畑を太陽光発電事業用の土地にする場合、農地転用の手続きが必須です。農地転用後は固定資産税がアップすることを覚悟した方が良いといえます。山林の場合も多少の固定資産税アップが予想されます。

「出ていくお金」の説明をしてくれる業者を選びましょう

このように、太陽光発電事業は高い収益が見込めると同時に、「出ていくお金」もあります。今回お伝えした税金はもちろん、造成工事費用や維持費など、出費面の話しは正直楽しいものではありません。ですが、必ず知っておかなければならないのも事実です。業者によっては契約を急がすあまりに、収益の話しばかりをするなど、事業主の事業計画を無視するようなことを平気で行うこともあります。

このような業者に任せてしまうことになる前に、ぜひ一度当協会へご相談ください。第三者機関という立場から、事業主様に寄り添ったアドバイスをさせていただきます。