太陽光発電コラム

おろそかにしていませんか?知らないと怖い地盤調査

2014.05.11

地盤調査について

太陽光発電事業は20年間にわたり運用を行うことが前提のモデルです。
にもかかわらず、設置2年もたたずに「架台ごと倒れてしまいパネルが損傷してしまった」、最悪の場合「風に吹き飛ばされてしまい、周辺に被害を出してしまった」等の事故が発生し、当協会にも数件相談が来ています。
長い期間運用することが前提にもかかわらず、どうしてこのようなことが起こったのでしょうか?

理由は地盤にありました。

工事を管理する中でタイトルの通り、地盤調査をないがしろにすると様々な問題が発生します。
一般社団法人 日本住宅工事管理協会は工事を管理する組織で第三者の立場から施主様のサポートをさせていただいています。

太陽光発電が爆発的に増えて、新しく事業参入する会社が非常に多く、適切な工事がなされていないことが多く見受けられています。
その中でも大きなトラブルを呼び起こす可能性があるのが地盤調査です。

なぜ地盤調査が必要なのか?地盤調査を行うことで何ができるのかをご紹介していきますので、産業用太陽光発電の設置をご検討する際の参考にしていただければと思います。

地盤調査の目的

なぜ、地盤調査を行う必要があるのでしょうか?
それはしっかりと地盤の状況を把握しないと「“正しい架台”を選ぶことができない」からです。

“正しい架台”を選ばないとどうなるのでしょうか?
それは「20年間の長い期間太陽光モジュールを支えることができなくなる」です。

つまり、地盤をきちんと把握をしないと、耐久力の面で不安が残ってしまいます。
読んでいただいている方にとっては何を当たり前のことをと思われる方もおられるかもしれません。
しかし、施工の現場を見てみるとこの地盤調査を行っていない例が山のようにあります。
理由は様々あり、中には行う必要がない場合もあります。
けれども、ほとんどの理由は「地盤調査に費用をかけたくない」「そもそも施工会社が地盤調査の必要性を感じていない」などの必要性の認識が弱いためです。

工事を管理する協会といて後々にトラブルが起こる可能性を考えると、必ず地盤調査を行うことをお勧めしております。

トラブル事例

地盤の調査を行わずに“誤った架台”の設置を行うとどのようなトラブルが起こる可能性があるのでしょうか?

大きくは「倒れる」「吹き飛ぶ」の二つです。
「倒れる」も「吹き飛ぶ」も太陽光モジュールの重さや風圧に架台や地盤が耐え切れずに抜けてしまったり、傾いたりしてしまいます。(架台が曲がるのではなく地中に埋まっている単管が傾いてしまいます)

地盤が弱い場合このようなトラブルが起こってしまいます。
あらかじめ調査で地盤が弱いことがわかっていれば、弱い地盤に合わせた架台を選ぶことができ、このようなトラブルを防ぐことが可能になります。

地盤と架台について

架台には次のような種類があります。詳しくは太陽光発電架台についてをご参考ください
1 コンクリート基礎工事
2 コンクリート置き基礎
3 グランドスクリュー
4 単管杭打ち基礎

基礎の強さとしては4が一番弱く1が一番強いです。

一番人気があるのは4の単管杭打ち基礎でその理由は価格が一番安いからです。

工事に関する基礎知識が少ない施工会社ほど地盤の調査を行わず、4の単管杭打ち基礎を使って架台を設置しようとします。
単管杭打ち基礎自体は問題があるわけではなく、適切な場所で施工を行えばコストを抑えて十分な強度を得ることができます。

しかし、前述しているように地盤が弱いところに使用をすると、強度面に不安が残ってしまいます。

当協会では最初からコンクリート基礎を考えている施主様には特に地盤調査は進めていません。
単管杭打ち基礎を考えられている施主様には必ず地盤調査を行うことを徹底しています。
その理由は地盤調査を行わず、後々トラブルが起こった場合に発生する費用と損失を考えると費用をかけても行っておくべきだと考えているからです。

トラブルが起こると

実際に「倒れた」「吹き飛んだ」などの事故が起こるとどのようになるのでしょうか?
基本的には施工店が保証することになっています。

しかし、施工店が保証といっても手厚い保証がされているわけでなく、多額の費用が発生したり、工事期間は発電が止まったりと損失が大きいといわれています。

風に太陽光モジュールが飛ばされて、周辺に被害を及ぼしてしまうと損失など時間もかかってしまいため心身共に疲れてしまいます。

施工事例

2016年4月に施工を始めた施主様の事例をご紹介いたします。

初期費用を抑えるため架台すべてを単管杭打ち基礎をご希望でした。
当初、地盤調査を行う必要性を全く感じられていませんでした。

地盤調査に関してのお話をさせていただいたところ重要性を理解していただき、調査を行いました。

その結果、全体の70%は単管杭打ち基礎でも耐えれるような地盤だったのでしたが残りの30%は単管杭打ち基礎ではとても耐え切れないような弱い基盤でした。

調査結果をもとに施主様に説明を行い、単管杭打ち基礎でも大丈夫なところは単管杭打ち基礎で施工を行い、地盤の弱いところのみコンクリート基礎を使った複合の基礎を使いました。

地盤調査をきちんと行わなければ、弱い地盤に単管杭打ち基礎を行ってしまい、「倒れたり」「吹き飛ぶ」可能性が残ってしまうところでした。

この施主様の例でも分かるように同じ土地の中だけでも地盤の強いところ、弱いところがあり、簡単な調査だけでは本当に設置場所の地盤が強いか弱いかがわかりません。

調査方法について

地盤調査を行っていない施工会社が多いと記載させていただきましたが、全く地盤調査を行っていないわけではありません。

地盤調査にはいくつか種類があります。

多くの施工会社が行っている調査方法は単管を1.5mほど打ち込み打ち込んだ単管を引っ張ったり、横にぐらぐらさせることにより、地盤の状況を把握するというものです。
抜けなかったり、ぐらぐらしないことで大丈夫と判断する方法です。

この方法では実際の地盤の状況はわからず、感覚での判断になってしまったり、調査場所によって結果が異なってしまいます。

日本住宅工事管理協会が協賛会社様に徹底している調査方法はスウェーデン式サウンディング試験です。

調査には別途費用が必要になりますが、トラブルが起こる可能性、起こった際に発生する損失をしっかりと説明させていただき、施主様に納得していただき調査を行うようにしています。

スウェーデン式サウンディング試験については機会があれば詳細をご紹介します。

まとめ

トラブルを防ぐためにはきちんとした地盤調査が必要
多くの施工会社が地盤調査を行わず、安いという理由で単管杭打ち基礎を使っています。
地盤がしっかりとしているところであれば、特に問題はありませんが地盤が弱いところであれば「倒れたり」「吹き飛んだり」してしまう可能性があります。

しっかりと調査を行えば地盤の状況を確認することはできますので、地盤調査をしっかりと行いトラブルを未然に防ぐようにしましょう。

太陽光発電事業は20年という長期間運営することを前提に行う事業です。
安定的に収益を確保するためにも地盤の調査は必ず必要なものですので、これから施工を考えられる方は地盤調査をご検討ください。