太陽光発電コラム

太陽光発電が設置できない!?太陽光の分割禁止とは

2018.02.09

改正FIT法により29年度から厳しくなった太陽光の分割案件ですが、きちんと理解されていますか?
分割案件に該当してしまい事業計画認定が承認されない事案も29年度は多く発生しています。

今後はさらに厳しい条件になる可能性があります。
来年度に太陽光設置を行う場合には分割案件に該当しないか確実に確認しましょう。

29年度改正FIT法における太陽光分割とは

平成26年4月1日以降、低圧太陽光発電設備(10kW以上50kW未満)を設置する時、隣接地等で同一名義の設備設置者が申請しても認可されなくなりましたが、改正FIT法施行後もこの審査基準は続行されています。

【分割禁止】改正FIT法による制度改正についてからの抜粋

認定基準

特段の理由がないのに一の場所において複数の再生可能エネルギー発電設備を設置しようとするものでないこと

審査基準

①同一の地番又は地権者が同一(申請日の1年前まで遡って同一の場合※も含む)の一団の土地において他の認定事業計画がないこと
②隣接の地番で設置事業者又は保守点検及び維持管理の責任者が同一の他の認定事業計画がないこと
※平成29年度内に認定を取得する場合は、平成29年4月1日まで遡って同一の場合とする。

必要書類

設備所在地の登記簿謄本(分割の疑義が生じた場合は、審査の過程で、分割疑義対象案件の登記簿謄本や当該案件との位置関係が分かる公図等を求める)

まとめると隣接地とみなされる案件は、次の条件下に拠ります。

同一の地番または地権者が同一の場合
※申請日の1年前まで遡って同一の場合も含む

設置事業者または保守点検及び維持管理の責任者が同一の場合

※平成29年度内に認定を取得する場合は、平成29年4月1日まで遡って同一の場合

分割疑義が生じた場合、設備所在地と隣接地の登記簿謄本・公図の提出が求められます。

申請のために急いで地権者を変更しても、申請日の1年前まで遡って調べられてしまうので、入念な準備や事前の確認を行っていないと太陽光の分割に該当してしまい事業計画認定の申請が承認されない事があります。

新制度に関するよくある質問(なっとく再生エネルギー F&Q抜粋)

Q:隣接する土地で偶然、保守点検責任者が同一であった場合には、分割の基準に抵触することになりますか。

A:この場合は分割と判断されます。なお、「保守点検責任者」とは、保守点検・維持管理を委託されて実施する事業者等ではなく、保守点検・維持管理の方針や実施について判断権限を有する者のことを指します。
したがって、受託者が同一である場合には分割にはなりませんが、委託者が同じであれば分割と判断されます。^

分かりにくい表現ですが、「保守点検・維持管理の方針や実施について判断権限を有する者のこと」ですので同一設置者の場合は分割とみなされます。

Q:分割案件等、認定基準に抵触する案件について、接続契約の申込を行った場合はどうなりますか?

A:当該案件は事業計画認定がおりないため、認定基準に抵触しない状態にした上で、一般送配電事業者への接続契約申込み、及び、事業計画認定申請を行っていただく必要があります。
なお、一般送配電事業者への接続契約の申込内容が、認定基準に抵触する可能性があると判断されるもの(名義、連絡先、振込先口座等のいずれかが同一で同一申込者と思われる事業者から複数の申込みがある場合や、隣接している住所に複数の申込みがある場合等)は、分割等の認定基準が充足されることを確認するため、一般送配電事業者から接続の受付や検討に先立ち事業計画認定の申請を行うよう求められる場合があります。
また、事業計画認定の審査により、認定基準に抵触すると判断された場合は、一般送配電事業者から当該接続契約の申込を取り下げていただくよう求められたり、申込に対する検討が保留される可能性があります。

接続契約を行っても事業計画認定は下りない為、電力申請時から分割案件に該当しないか確認の上、各種申請を行う必要があります。

Q:過去に認定を取得している場合、新しい分割の基準が適用され、認定が取り消されることはありますか。

A:旧制度で認定を取得している案件に対して、新制度の分割の基準を適用して、認定を取り消すことは想定していません。

過去案件まで振り返っての取り消しはありません。来年度の基準が適用される前に現時点で予想される懸念事項を出来る限り排除しておく方が良いです。

トラブル案件

当協会へご相談頂いた案件で下記のようなご相談がありました。
太陽光設置予定地Aを平成28年10月に2分筆し、前地権者と太陽光設置予定者(現地権者)との間で土地売買の契約を平成29年9月に行いました。
土地の分筆も28年中に完了しており、太陽光設置予定者(現地権者)様は安心して太陽光設置の準備を進められておりました。

ですが改正FIT法により平成29年4月1日以降の土地売買は、1年前に遡り地権者を確認してその地権者を所有者として見なします。
その為、平成29年9月に土地売買をしたこの案件は2筆した地権者が全て同一人物(前地権者)になり、分割案件として不受理になりました。

ポイントは28年度までは地権者を遡って地権者を確認されていなかった所です。
土地の分筆が済み、後は売買契約が完了すれば良いと認識していたにも関わらず29年度の改正FIT法により分割案件に該当してしまいました。

同じように30年度に太陽光の分割の制度に関しては現時点(2018/2/7)では何も発表がありません。
29年度と変更がない可能性もありますが、来年度の分割はさらに厳しいルールとなる可能性もありますので今後の動向を随時確認して置く必要があります。

太陽光分割のおさらい

簡単に説明すると大規模な高圧発電ができるような土地や隣接し合う地番や分筆された土地ごとに低圧太陽光を設置して低圧案件を小規模に分割して申請する方法のことです。

なぜ低圧分割をして申請を行う設置者が多かったかというと簡単な理由があります。
低圧連系と高圧連系では必要な費用が大きく異なってしまうため、中小企業や個人の事業主様は低圧連系で太陽光発電設備の設置を行うこと多かったのです。

低圧の発電所は50kW未満で高圧の発電所は50kW以上2M未満と決まっており、低圧に必要がなくて高圧に必要なもの

1 検討費用が必要、協議時間もかかる
2 第一種又は認定電気工事従事者による作業が必要
3 高額なキュービクル(変圧器)の設置が必要
4 主任技術者の選任や保安規定の届出が必要
5 メンテナンス費用等のランニングコストが高くなる

簡単にまとめると高圧案件はイニシャルコストとランニングコストが高くなり、低圧案件より設備に生じる義務が大きくなります。
もちろん高圧案件にメリットは多くありますが、手軽に太陽光投資を始めたい多くの方が本来は低圧連系以上の発電所の設置ができる土地があるにもかかわらず、低圧連系である50kW未満で設置を行っていました。

日本住宅工事管理協会だからできる事

調達価格等算定委員会より30年度の低圧太陽光の売電単価の発表もありました。
この時期は来年度に向けて様々な制度の改定や発表が続きます。
その制度を漏れなく確認して来年度の太陽光設備の設置に向けて分割に該当しないか等、今から事前の準備しておかなければ損をしてしまう事もあります。
日本住宅工事管理協会では豊富な経験から適切なアドバイス致しますのでお気軽にお問い合わせください。