太陽光発電コラム

太陽光発電設備と密に関係する電圧上昇抑制とは

2018.01.31

電圧上昇抑制とは、電圧の影響で太陽光発電設備の出力が抑えられてしまう現象のことです。この電圧上昇抑制は出力抑制とも呼ばれることがあります。

出力を抑える必要性が生じ、ルール化された電力会社が行う出力制御とは異なりますので、混同しないようにしてください。

売電と電気の仕組み

電力会社から供給される電圧は季節や時間帯で変動します。
一般的に電気が多く使用されると電圧は下がり、電気の使用が減ると電圧が高くなります。
電気と水は似た性質があり、高いところから低いところに流れていく仕組みになっています。つまり、電気は電圧の高いところから低いところに流れていくことになります。

売電とは発電した電気を、電力会社との系統連系している電線に流すため、「発電した電圧が電線側の電圧よりも高い」
という条件を満たしていなくては、電気は流れていきません。

上記の状態であれば太陽光発電設備は、何もしなくても勝手に売電される仕組みです。
パワーコンディショナはこの状態が成立するように、発電量とのバランスによって変動するモジュールからの電圧を調整して、電気を送り出す役割を持っています。

電圧抑制が発生しやすい環境

・トランス設置されている電柱から遠く離れている(配電系統の末端にある)
・電柱から引込柱への距離が長い
・周囲の環境(大きな工場が建てられているなど)
上記に該当される場合は確認が必要です。

 

複数の太陽光発電所が同じ系統に接続されていたり、大きな工場が建てられている場合、
近隣の電力需要が一時的に大きく低下する事により、送電線に流れる電気の電圧が太陽光発電所から出力される電圧を上回ってしまいます。

太陽光発電所で発電された電気が送電線に流れていかなくなってしまうことで電圧上昇抑制が起こってしまいます。

「電圧上昇抑制」の2つの原因

「電圧上昇抑制」が起こるには大きな2つの原因が考えられます。

原因①
送り出す先の電線(電力側系統)の電圧が107V近い状態で、電気を送り出すためにはそれ以上の電圧を掛ける必要があり、パワーコンディショナの上限に達したことで売電を止めてしまう。【電線内の電圧が高い場合】

原因②
パワーコンディショナから電力側系統との接続点までの配線で大きな電圧の差が生じていることで、実際にはまだ電圧が上げられるのに、パワーコンディショナの上限に達してしまう。【発電設備からの配線に問題がある場合】

<電線内の電圧が高い場合とは?(原因①)>

一般的に電線に流れている交流電気の電圧は100Vと言われていますが、実際は常に100Vで一定ではありません。
法律上(電気事業法)は「101Vの上下6Vを超えない値で維持する」と定められ、電力会社は電柱にトランスという機器をつけてこの範囲で調整しています。
つまり、電線内の電圧は「95V〜107Vの間」で保たれ、流れていることになります。

〇電線内の電圧は一定の範囲で保たれている

一般家庭における電圧は、100Vの交流電力が供給されていますが、電線内部の電圧は変化するため、必ずしも100Vであるとは限りません。
法律上(電気事業法)、電線内の電圧は30分間の平均が95V〜107Vに収まっていれば良いことになっています。すなわち、わずかな時間であればこの範囲を超えても法律違反ではなく、1日のうち数分程度は電線内の電圧が107V以上になり、売電ができない状況になる可能性はありますが、これは仕方ないことです。

しかし、安定的に107V近くになっていると、1日のうちで売電できない時間が長くなり、収益に影響が出ます。
電圧の変化が起こることも問題であり、トラブルを避けるため、電力会社では先述した「トランス」と呼ばれる変圧器で電圧を調整しています。

〇周囲の環境で影響を受ける

電線内の電圧は近隣に工場や商業施設など多くの電気を使うところがあると、電力会社がその地域に高い電圧で電気を供給するように設定している場合があります。
このような場合は、施設の昼休みや休日などで近隣地域の電気使用量が大きく減ってしまい、電線内の電圧が高くなる現象が起こります。

「電線内の電圧が高い場合」の対策(原因②)

上記のような地域の電圧変動により、電圧抑制の状態が長時間発生起こっているようであれば、設置業者を通じて電力会社に交渉をしてもらうことが良いかもしれません。
電圧抑制は一時的なものが多いですが、頻繁に起こるようであれば電力会社に相談し、電流と電圧を計れる測定器を取り付けてもらうのが良いかもしれません。

また、パワーコンディショナの電圧整定値を上げる事も一つの方法ではあります。
ただし、電気事業法という法律に違反しないように注意が必要です。
他にも、引込柱にトランスを新設する、引込線や内線を太い線に張り替えるといった方法もありますが、自己負担での費用が発生します。(費用は、状況によって変動します。)

住宅内の配線に問題がある場合

電圧は、配線ケーブルの抵抗が大きいと一緒に高くなってしまい、抵抗は配線ケーブルが細く長くなるほど大きくなる。
こうした配線による抵抗により、住宅内の配線(宅内配線)と電力会社の電線の接続点の電圧が105Vだったとしても、パワコンまでの配線が107Vまで上がってしまい、パワコンの電圧抑制機能が本来よりも早く働いてしまうことがある。

・「住宅内の配線に問題がある場合」の対策は?

電力会社やメーカーでは、パワコンの出力端と売電用メーター(売電する引込電線が接続するところ)の2ヶ所で電圧を計測するようにアナウンスしており、2ヶ所の電圧差が2Vを超える場合には住宅内配線を見直すことを勧めています。

参考リンク http://www.chuden.co.jp/resource/ryokin/saiene_05.pdf
【太陽光発電設備を設置する場合の「屋内配線の電圧上昇計算」について 中部電力(株)】

すなわち、住宅内の配線に問題があることがわかった場合、住宅内の配線ケーブルをより太く、さらにより短いものにすることで電圧上昇を抑えることができます。

「電圧上昇抑制」の対策

電圧上昇抑制は、電力会社との系統接続の状況によって発生します。
太陽光発電設備に問題があるわけではないので、まずは電力会社に調べてもらうようにしてください。

電圧上昇抑制は、改善するために働きかけなければ、発電設備に適した売電量を得る事は不可能なままになります。
電力会社が一定期間調査し、その結果次第で太陽光発電所側の電圧を上げることが可能となり、調査期間は状況により異なります。

(2、3週間から1ヶ月、電力会社の混雑状況により2、3ヵ月かかる事もあります。)
その間の売電ロス分は補償されないため、発電量が少ないなど気になったらすぐに行動するようにしてください。

日本住宅工事管理協会では、お客様それぞれに最適な太陽光発電設備をご提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。