太陽光発電コラム

分譲太陽光、その利回り水増し表記かも?見極めのコツは

2017.08.21

分譲太陽光、利回りの水増しが横行しているようです

太陽光発電に適した土地を探すのが難しくなってきているといわれています。
そんな中、人気を集めているのが分譲太陽光です。

分譲太陽光は、設備設計などに時間をかけられないという方にも人気で、年々需要が高まっており、
案件を取り扱っている企業への問い合わせが殺到している状態です。

そんな中、今問題となっているのが利回りの水増し表記です。
人気に目をつけた業者によるこの水増し表記。

いったい、どんなもので、どんな点に注意すべきなのでしょうか。

 

問題視されている利回りの水増しとは具体的にどんなものなのか

『利回りの水増し』とはいったいどういうものなのでしょうか。

通常、太陽光発電の利回りは

売電単価×年間発電量÷販売価格

という計算式によって導き出されます。

10%を担保できれば高利回りといわれていますが、この利回りを「12%以上」といった
現実味の薄い数字で掲載しているサイトが目立つようになってきているのです。

もちろん、それらすべてに問題があるわけではありません。
中には企業側の努力によって高い利回り物件を用意しているものももちろんあるでしょう。

しかし、そういった情報の中にうまく埋没するような形で、
現実的ではない利回りをうたい文句にしているサイトが相当数あるようなのです。

 

どうすればそんなに高利回り表記が出来るの?水増しのカラクリ

前述の通り、利回りは” 売電単価×年間発電量÷販売価格”の計算式で導きますが、
高い利回りを記載しているサイトで散見されるのは『年間発電量』を多くしているものです。

売電単価は当然決まっているものですし、販売価格も下げたくない業者にとっては、
年間発電量を多く見せればそれだけで利回りを高く見せることが可能なのです。

 

過積載での利回り表記に潜む、大きな問題

この水増し表記が問題となっているのは、特に過積載の発電所です。

過積載とは、通常の発電所とは違い、パワコンの容量以上のパネルを設置して
ピークカット分を多くさせることで、通常ではあまり期待できない朝夕の発電量を多くさせる方法です。

そのため昼間などはピークカットが多く発生しますので、売電できない分が定格の発電所よりも多くなります。
そこで通常、過積載の発電所では過積載用のシミュレーションを利用して利回りを算出します。

しかし、過積載用のシミュレーションを使わずに算出してしまうと
あたかもものすごく高利回りのように見えてしまうのです。

過積載用のシミュレーションを使用する場合とそうでない場合との違いを以下に説明します。

 

過積載用のシミュレーションを利用する場合

ピークカット分が利回りの算出結果に反映される(=売電できない分は発電量に含まない)。
過積載は一般的に導入費用が高くなるため、定格の発電所の利回りを算出する計算式よりも
利回り結果が抑えられ、より現実的な利回りが導き出される。

 

過積載用のシミュレーションを利用しない場合

ピークカット分が利回りの算出結果に反映されない(=売電できない分も発電量に含む)。
あたかも発電した分が全て売電できるような結果になるため、数字上は高利回りに見える。

 

保証が適用されない?発電事業主にとっての不利益とは

こういった方法で利回りを水増しすることは、過積載の発電所で事業を
行おうとする場合、事業主に思わぬ不利益をもたらす場合があるので要注意です。

というのも、過積載の発電所の場合、発電保証が無効になってしまうケースがあり、
今回の問題がそれに当てはまってしまうからなのです。

過積載の場合、メーカー指定の過積載用シミュレーション数値を使う必要があります。
そうでなければ、発電保証は無効になってしまいます。

たとえば、サイト上に「利回り12%」と記載されている分譲案件を購入した場合、
この利回りが水増し表記であれば仮にサイトに記載されていた発電量よりも
低い発電量であっても、メーカー側からは「これは過積載用のシミュレーションでは
ないので保証の適用外です」と判断されてしまう可能性が高いのです。

 

地域ごとの『最適過積載率』にも注意して購入しましょう

事業主の方々に徹底していただきたいのは、分譲案件を入手する際には
必ず「この利回りは過積載用のシミュレーションを用いて算出されているか」という点について事前に確認をするという事です。

また、地域ごとに最適な過積載率が違うということも頭に入れておく必要があります。
過積載は、ただひたすらたくさんのパネルを載せればよいというものではありません。
発電所の場所によって、最適な過積載率が違うためです。

同じメーカーの同じパネル・パワコンであっても、年間総日射に対し晴天の割合が高い地域と
そうでない地域とでは、それぞれのロス値が違います。
当然、前者の方が発電量が多いため、過積載をし過ぎることで
ピークカット量ばかり増えて効率性が悪くなる可能性があります。

パネルが最もパフォーマンス力を発揮できる『最適過積載』を考慮したシステムを構築することは非常に大切なのですが、年間発電量を多くして利回りを水増しするために、必要以上の過積載にしているサイトがある可能性も考えられます。

水増しサイトの見極めポイント まとめ

せっかく高利回りの発電所を購入できたと思っていても実際はそうではなかったとなると、事業計画は大きく狂ってしまいます。

くり返しにはなりますが、高利回りの分譲案件に飛びつく前に、必ず以下の点を確認するようにしましょう。

●過積載用のシミュレーションを利用しているか
●地域に適した『最適過積載』のプランになっているか

ただし、すでにたくさんの発電所を稼働させている事業主であっても、
水増し表記なのかそうでないのかの見極めは非常に困難です。

購入しようとしている発電所で問題がないかどうか不安という方は、一度当協会までご相談ください。
日本住宅工事管理協会は、中立の立場にある第三者機関です。
客観的な視点でアドバイスを行うことが可能ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。