太陽光発電コラム

PV Japan2017 レポート2 これからの太陽光発電事業に必要な事

2017.07.14

太陽光発電の転換期

経済産業省は2030年までに向けて進めてきたエネルギーミックスは、国内での消費エネルギーのうち22~24%(太陽光発電7%)を目指して動いています。
再生エネルギー導入量を増やすため、2012年に開始された固定価格買取制度(FIT法)実施。

その後の太陽光発電は着々と広がりを見せてきました。

太陽光発電の拡大に伴い昨今では、「売電価格の低下」「出力制御」「知識不足で参入する企業」など太陽光発電事業者様にとってネガティブな問題が浮上してきています。

良くも悪くも大きな流れには逆らうことは出来ません。
これから太陽光発電事業に参入する方も、すでに参入されている方も、今後の目まぐるしい状況の変化に対応して自らが正しい情報に基づき実行に移さなければいけない時代に突入しています。

太陽光発電 新時代に向けての動き IN PVJAPAN2017

前述では少しネガティブな話をしましたが、決して太陽光発電の衰退を意味しているわけではありません。

2017年7月5日から7月7日まで横浜にて開催されたPV JAPAN 2017に来場者として参加させていただきました!
3日間に渡ってのセミナーに加えて多くの企業から、これからの太陽光発電を担う新製品の数々が展示されました。
なかでも、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)・ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)・蓄電池などの自家消費をメインとしたブースは多く見受けられました。

来場された方々は、再生エネルギーが新たな普及ステージに立っていることを今回のイベントで明確に実感できたことでしょう。

せっかくなので、会場で展示されていたものを各メーカーごとにいくつか紹介させて頂きたいと思います。

SOLAR FRONTIER 独自の理念で太陽光発電システムをブランド化

ソーラーフロンティアが独自技術で開発した、出力低下をしにくい”化合物半導体系モジュール(CIS)”

その最新型番である『SFK185-S』を販売。
CIS系のネックであった変換効率を向上し、また軽量化にも成功しました。

これまでより洗練化されたデザイン性で、設置場所の景観イメージへの影響を縮小。悪目立ちせず、環境へ溶け込みます。

“スマート”と”CISモジュール”を掛け『SmaCIS(スマシス)』と名付け、「暮らしをもっとスマートに」をコンセプトに、性能とデザイン性に拘った新しい太陽光発電システムブランドを立ち上げました。

 

YINGLI SOLAR 400Wの高出力モジュール

まだ販売はされていないが最大出力400Wを実現させた高出力モジュールPANDA BIFACIAL 144 HCLに加え、様々な条件下に合わせて最適化させたモジュールも続々と販売を控えています。
ポリシリコンからモジュールまで一貫生産を可能にした世界初のソーラーモジュールメーカーというだけに、モジュールへのこだわりは流石。
高圧案件やワールドプロジェクトにも多くの導入例があり、実績が確かな企業ですね。

JINKO SOLAR 安心の30年保証モジュール

目を引いたのは、モジュールEagle Dual 60-J 255-280Wです。
メンテナンスの必要性を低下させ、経年劣化を0.5%に抑え、Eagle Dualリニア保証はなんと30年間のリニア出力保証。
長期間での安定した発電にベストな商品ですね。

遠隔監視装置

九州電力に続き、四国電力も出力制御に関する具体的対応の要請を始めたことで、問題が直面してきた電力会社による出力制御。

パワーコンディショナと遠隔監視装置によっては、出力制御に関する付属機器を沢山追加しなければならないものもあり、負担費用が大きくなります。

しかし、この度ネクストエナジー社が新発売する太陽光発電モニタリングシステム(遠隔監視装置)
「ソラジット・ミニ」であれば、同じくネクストエナジー社のパワーコンディショナとなら、その他付属品の追加は必要ありません。(その他、デルタ電子パワコンにも対応)

出力制御地域の太陽光事業者様にとっても手軽に導入が可能で、またこれから太陽光事業を始めたい方にも出力制御地域への設置ハードルを下げてくれる製品です。

O&M活用大‼ 最新パネル洗浄機


ネクストエナジーの新しい「パネルの洗浄サービス」です。
展示場で洗浄の様子を実演していたこともあってか、多くの注目を集めておりました。

PV Cleaner という新型洗浄機を用いてアレイ単位での洗浄を可能にしたサービスです。従来の手作業とは違い、作業の効率化、人員削減でコストダウンに繋がります。
さらにアレイ毎の汚れを均一にムラが少なく洗浄するため、未洗浄のアレイと比べ3~5%(実証実験データによる)の発電量向上が見込まれるようです。

蓄電池と配電システムの発展が今後のポイント


最後に、PVJAPAN 2017年でのお話をもう少しお付き合いしていただいて、触れておきたいのが蓄電池です。

海外大手自動車メーカーであるTESLAのブースにて、原寸大ポスターのみで現物が見ることは叶わなかったのですが、TESLAのパワーウォールを筆頭に国内では、nichicon,Panasonicからも新型蓄電池が注目され、
“売電から自家消費へ“というトレンドを大きくアピールしていました。

ですが、蓄電池の普及もまだ始まりの一つに過ぎません、スマートグリッドやオフグリッドなどIT化された配電技術の開発も進められています。

※ スマートグリッド:電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる次世代送電網
※ オフグリッド:送電系統(電線を伝って電力会社から家などに送られる電力網)と繋がっていない電力システム

エネルギーを創れる時代から売電の時代に、そして最近では畜エネという言葉が広がりました。

蓄電池と配電技術の進化により、貯めた電力を地域レベルで共有出来る「共エネ(仮称)」時代もそう遠くないでしょう。

 

電力ビジネスの多様化

PV JAPAN 2017に出展した多くの企業が「改正FIT法」「出力制御」に対応した商品から、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の本格的な導入に向けてサービスを向上させています。

エネルギーミックス達成のために今後の課題である「国民の負担を抑えて、再生エネルギーをより普及させていく」を実現させるには、これからの技術開発の進展と「FIT依存からの脱却」を達成させなければなりません。

新規参入が難しいといわれる太陽光発電事業ですが、
改正FITによって整理されつつある状況下、太陽光発電のシステムの向上とコスト削減により、新規での太陽光発電事業への参入も比較的容易になってくるでしょう。

現在の太陽光発電は、「過積載」や蓄電池を応用した「夜間売電」などの発電量を向上の技術もあり、“売電のみで利益を出していける時代“はまだ終わってはいませんが、長く続かないことは明白です。
“より多くの電力を売電して儲けを出す“という現在のビジネスモデルから自家消費へのモデルチェンジを推進する企業は、これからも増えてきます。

さらに先の話になりますが、今後FITから脱却して電力の市場取引になり、自家消費の普及が促進され、
地産地消へと移り変わり、多くの新しい電力ビジネスモデルが動き始めます。

転換期を迎えようとしている、これからの太陽光発電事業の成功に必要なものは、事業主様自身の正確な情報収集と実行力が何より必要となってきます。

日本住宅工事管理協会では新情報や、今必要とされている情報を継続的に配信しておりますので、太陽光事業者様のみならず、再生エネルギーに携わる方々にとって一つの情報ツールとして活用していただければ幸いです。