太陽光発電コラム

抑制対応パワコンだけではダメ?出力制御ユニットとは

2017.06.08

出力制御ユニットは忘れていませんか?

出力制御の対象となっている発電所では、制御装置を設置する必要があります。

良く聞かれるのが
「出力制御機能付きのパワーコンディショナを設置すれば大丈夫なんですよね?」
という声。

しかし、実際に出力制御を行うには「出力制御機能付きのパワーコンディショナ」のみでは意味がありません。

そこで必要なってくるのが『出力制御ユニット(出力抑制ユニット)』と呼ばれるもの。
そこで今回は、忘れられがちなこの機器の解説を軸に、
出力制御装置について改めて説明していきたいと思います。

まずは出力制御のしくみを知ろう

出力制御はどのようにして行われるのでしょうか。
下の図を見てください。
※図のPCSとはパワーコンディショナのことです。

出力制御機能付きPCSの構成

ご覧のように、電力会社からの出力制御の指示は『出力制御ユニット』を介して
出力制御機能付きのパワーコンディショナ(=狭義パワーコンディショナ)に送られています。

パワーコンディショナ自体は制御する機能を持っているだけですので
「いつ制御するのか」という情報を持ち合わせていないためです。

つまり出力制御ユニットを設置することで初めて、
出力制御機能付きパワーコンディショナの能力を発揮することができるのです。

したがって、制御装置の設置を義務付けられている発電所には
出力制御ユニットも取り付けなければいけないのです。

上記の事から、
『出力制御ユニット』『狭義パワーコンディショナ』『広義パワーコンディショナ』
と頭に入れておいていただくと、今後出力制御に関する情報について目にする際にも分かりやすいと思われます。

広義pcsと狭義pcsとは

出力抑制のスケジュール取得方法は2種類

先程、電力会社からの出力制御の指示は『出力制御ユニット』を介して
出力制御機能付きのパワーコンディショナに送られるとお伝えしましたが、
出力制御のスケジュールは、次の2種類の方法で取得することができます。

通信機能あり:更新スケジュール型(自動)

インターネットを利用する方法です。
上図の状態はこちらのタイプとなります。

電力会社のサーバ上の「出力制御スケジュール」を取得して、
その情報に基づいて自動的に狭義パワーコンディショナを制御します。

そのため、通信機能を持つ機器が必要となります。

通信機能なし:固定スケジュール型(手動)

インターネットを利用しない方法です。
出力制御スケジュールを手動で電力会社のサーバーから取得します。
スケジュールの取得は年に1回以上行い、
現地(発電所)に赴いて出力制御ユニットに保存します。

この保存情報に基づいて狭義パワーコンディショナを制御します。

どっちの取得方法がおすすめ?

更新タイプは、リアルタイムな気象情報などをもとにした制御スケジュールが
電力会社より配信されると言われています。
そのため、出力制御も必要な時に行われますので、
無駄に発電機会が失われる可能性が低くなると考えられます。

対して固定タイプは、その名の通り年間の制御スケジュールが固定化されています。
更新タイプのようにリアルタイムで気象情報を取得するわけではありませんので、
電力需要が少なく発電量の多い時期を予め設定したスケジュールを取得することになると考えられます。

どちらを選ぶのかは事業者の判断によるものとなりますが、
出力制御が必要な時にだけ抑制してくれる更新タイプの方が
損失を考えるとメリットがあるのではないかと思われます。

ただし、通信環境を整えるのが難しい発電所の場合は
固定タイプを選択することになります。

まとめ:タイプ別、出力抑制に必要な装置

以上を踏まえて、改めて出力制御に必要な装置をまとめます。

●更新スケジュール型

(1)狭義パワーコンディショナ
従来のパワーコンディショナの機能に加えて
『出力制御ユニット』から出力制御情報を受けて、
太陽光発電の出力(上限値)を制御する機能を有するパワーコンディショナ。

(2)出力制御ユニット
出力制御スケジュールを取得し、出力制御スケジュールに基づいて、
『狭義パワーコンディショナ』を制御する機能をもつ制御装置。
※スケジュール…サーバからスケジュールを取得

(3)広義パワーコンディショナ=(1)+(2)
『(1)狭義パワーコンディショナ』と『(2)出力制御ユニット』を併せて
『広義パワーコンディショナ』つまり『出力制御機能付パワーコンディショナ』として定義。
※つまり、別途『広義パワーコンディショナ』を用意するというわけではない。

(4)通信機器

インターネット環境を整えるのに必要な、モデムやルーター、通信回線など。
電力会社のサーバから制御スケジュールを取得するために必要。

●固定スケジュール型

(1)狭義パワーコンディショナ

従来のパワーコンディショナの機能に加えて
『出力制御ユニット』から出力制御情報を受けて、
太陽光発電の出力(上限値)を制御する機能を有するパワーコンディショナ。

(2)出力制御ユニット
出力制御スケジュールを取得し、出力制御スケジュールに基づいて、
『狭義パワーコンディショナ』を制御する機能をもつ制御装置。
※制御スケジュール……ユニット内に保存された固定スケジュール

(3)広義パワーコンディショナ=(1)+(2)
『(1)狭義パワーコンディショナ』と『(2)出力制御ユニット』を併せて
『広義パワーコンディショナ』つまり『出力制御機能付パワーコンディショナ』として定義。
※つまり、別途『広義パワーコンディショナ』を用意するというわけではない。

ひとつの発電所でも複数の出力制御ユニットが必要なケースがある

ひとつの出力制御ユニットに接続できるパワーコンディショナには限りがあります。
そのため、パワーコンディショナが複数必要となる設備容量が大きな発電所などでは
出力制御ユニットの数を増やさなければならないケースがあります。

接続契約が複数の場合、同敷地内でも出力制御ユニットは複数必要

また、同じ敷地内に複数の接続契約をしている場合でも、
出力制御ユニットは発電所ごとに設置しなければなりません。
これは、発電所IDごとにスケジュールを取得する必要があるためです。

狭義パワコンに対応している出力制御ユニットを使いましょう

出力制御ユニットには通信機器などが付属しているタイプや
遠隔監視が可能なタイプなどがありますので。
ただし、どれを設置しても良いというわけではありません。
出力制御ユニットは、狭義パワーコンディショナに対応しているものを選ぶ必要がありますので注意しましょう。

出力制御ユニットの主なメーカー

出力抑制ユニットを出している主なメーカー(一例)をご紹介しておきます。
●オムロン
●シャープ
●パナソニック
●田淵電機
●新電元工業
(順不同)

設置を怠ると接続契約を解除される可能性も?

出力制御に対応することを条件に契約されている方は、
出力制御装置の設置は必須となっています。
必ず設置するようにしましょう。

もしも対応せずに放置していると最悪の場合、
電力会社から接続契約を解除されてしまう可能性もあります。

ただし取り付けは発電事業者ではなく、
発電設備の購入元企業などにしてもらう必要があります。

出力抑制ユニットはとても重要な装置です

出力制御ユニットについてご紹介しましたが、重要性は伝わりましたでしょうか。

「出力制御ユニットって何?」と不思議に思っていた方はもちろん、
「出力制御付きのパワコンにしたから大丈夫」と思っている方にも、
実は出力制御ユニットも必要だということをご認識いただけたら幸いです。
出力制御の重要性について[コラム『出力制御(出力抑制)』はなぜ必要?再エネ導入量UPできる理由は]にて公開しております。

これから設置を予定されている方、
まだ出力制御ユニットの設置が出来ていないという方などは
当協会にてご相談を受け賜りますので、どうぞお気軽にご連絡ください。