太陽光発電コラム

荒廃農地で太陽光発電所の設置を行うためのみなし農地転用について

2014.07.09

第一種農地でも太陽光発電所の設置が可能に!?農林漁村再生可能エネルギー法とは!

平成26年5月1日に施行された「農林業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギーの発電の促進」(以下農林漁村再生可能エネルギー法)はこれまで多くの事業者の太陽光発電所設置を挫折に追い込んだ、青地農地(農地転用の不許可農地)での太陽光発電所の設置を可能にする可能性があります。

施行されて間もないため、実際にどれくらいの時間がかかるかなど不透明な点が多いですが、この制度を活用することで、全国的に見られていた太陽光発電所設置のための土地不足問題を一挙に解決する可能性があります。

通称「みなし農地転用許可」といわれる農林漁村再生可能エネルギー法の仕組みや実際の流れなどをご紹介していきたいと思います。

今回の法令により太陽光発電所の設置が可能になる可能性のある土地

農林漁村再生可能エネルギー法によって太陽光発電所の設置が可能になる可能性がある農地はどのようなものがあるのでしょうか?

原則は荒廃農地

農林漁村再生可能エネルギー法はどんな農地でも太陽光発電所の設置を行っても良い、という制度ではありません。
詳細は後ほど記載いたしますが、国が定めた基本方針(基本理念)にのっとり、各市町村が作成した基本方針に則った農地のみ太陽光発電所設置のための「みなし農地転用」が強化されるというものです。

国が定めている基本方針とは一体どのようなものなのでしょうか?
基本方針は非常に長いのでここでは基本理念をご紹介いたします。

農林漁村再生可能エネルギー法基本理念

①農林漁村における再生可能エネルギーの電気の発電の促進派、地域の関係者の相互の密接な連携の元に、地域の活力向上及び接続的発展を図ることを旨として行わなければならない。
②地域の農林漁業の健全な発展に必要な農林地ならびに漁港及びその周辺の水域の確保を図るため、これらの農林業行状の利用と再生可能エネルギー電気の発電のための利用との調整が適正に行わなければならない。

あくまで主体は農林漁業であり、農林漁業に影響を与えない範囲、かつ地域の発展に貢献することが前提となっています。

わかりにくいので具体的にどのような農地なのかをご紹介していきます。
(具体的な案件が少ないためあくまで参考までとしていただければと思います)

前提は農振法の農用地区域以外

今のところ農振法の農用地区域の農地はこの法令の対象外になりそうです。
農業を現在行っている農地では許可が出にくく、荒廃農地が原則としては対象となります。

荒廃農地でも再生利用が不可能な土地
再生可能でも次の条件が当てはまる土地
再生までに相当期間の耕作・費用がかかり実質的に再生が困難の場合
再生するための人員の確保が難しく実質的に再生が困難の場合

要するに休眠地として再利用が難しい農地が対象となります。

農地で太陽光発電所の設置を考えられていた事業者様の多くは、休眠地を何かしらの形で活用していきたいと考えられている方ですのでこの条件に当てはまるケースは多いと思います。
(農用地区域内の案件も多くご相談いただいているので一概には言えませんが・・・)

これらの農地が5月1日施行された農林漁村再生可能エネルギー法によって、新たに太陽光発電所の設置を行うことが出来る可能性を得ました。

「みなし農地転用許可」をまでの流れ

結論を先に述べさせていただきますと、残念ながらこの制度は出来たばかりのため、「みなし農地転用許可」を得るまでには様々な困難が予想され通常の太陽光発電所の設置に比べると長い時間がかかってしまうといわれています。

農林漁村再生可能エネルギー法は簡単に前述にも述べたように、国が定めた基本方針に則り、各市町村が独自に基本方針を作成することが出来るというものです。

そのため、そもそも各市町村が太陽光発電を推進していることが大前提になります。
太陽光発電を推進している市町村でもこの独自の基本方針は基本持っていません。(5月1日に施行されたばかりのため)そのため、発電事業者がそれぞれの市町村に向けて基本方針の作成を働きかけることが必要になります。

協議会の発足

事業者の働きかけに市町村が答えてくれると、基本方針作成に伴う協議会が発足され、協議が行われ基本方針が作成されます。
事業者も協議会のメンバーとなり率先して協議をリードしていく必要があり多くの時間と手間がかかることが考えられます。

基本方針が出来た後に設備整備計画を事業者が作成し(通常は発注業者が作成します)、認定が取れることによって初めて「みなし農地転用」が出来るわけです。

時間がかかると想定されるのは各市町村が作成する「基本方針」が出来るまでです。
1回や2回の協議で作成が出来ればそこまでの時間はかからないでしょうが、残念ながらすんなりとは決まらないことが想定され、多くの時間と労力が必要となることは間違いないでしょう。

事業者が協議会のメンバーとなり、率先してリードしていくためには必要な知識や資料が必要になり、それらの準備にも多くの時間がとられることが、この農林漁村再生可能エネルギー法の一番のネックになるのではないでしょうか?

設備整備計画に関して

設備整備計画は各市町村の「基本方針」に則り、申請を行う必要があります。
たとえば、国基本方針では地域の発展に供することが記載されています、そのため次のようなことを設備整備計画に取り入れる必要があります。

太陽光発電の売電収益の一部を活用し、荒廃農地の再生を促進する。
売電収益を利用して農業の効率を高めるための設備の購入に当たる。

設備認定も一筋縄ではいかなさそうです。

ただ、制度がしっかりと根付き広がっていけば転用許可が出るまでの時間は短縮されると思われます。
現状はまだまだ時間がかかりそうです。

日本住宅工事管理協会のお手伝い

ソーラーシェアリングや特殊な太陽光発電の設置のお手伝いをさせていただいた経験のある日本住宅工事管理協会ですがこの農林漁村再生可能エネルギー法を活用した「みなし農地転用」を活用した太陽光発電所の設置は今まで行ったことはありません。

やったことがないのでやらないのではなく、あらゆる太陽光発電所設置のお手伝いをさせていただいた経験を元に事業者様のサポートをさせていただければと思います。

まだまだ、明確に行うことが決まっていない状態ですが出来る限りのサポートをさせていただきますので、今まで農地転用が出来ずあきらめていた事業者様はお気軽にご相談ください。

今後も新しい情報が出てきましたらご紹介させていただきます。